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オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、バーコ(盛上げ)、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。
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2010年12月9日木曜日

活字のふるさとを訪ねて(2)

モトヤさんの活字資料館のつづきです。

【ベントン彫刻機】
活字の母型を製作する彫刻機。
彫刻する文字の大きさを可変できるため、手彫りの種字→母型に比べて生産性が上がり、合理的な書体設計、品質管理が可能になったそうです。

以下モトヤ様の解説文を引用します。
ベントン彫刻機は活字母型又は父型を直接金属材に彫刻する機械で、米国人のLinn Boyd Bentonが1885年特許を得たものです。
始め電胎母型用種字を彫刻するだけでしたが、後にパンチ母型用の父型を彫刻するようになりました。機構はパンタグラフの原理で、これを堅型に構造してあります。
パターン(原版)を下部のテーブル上に取付け、フォロアーでなぞりの働きを縮減して上部に取付けた精巧な小旋盤に伝え、その力ッターは毎分8,000~10,000回転し、その下の母型材に彫刻します。通常カッターは荒彫・中彫・仕上の3本を使用します。
60ポイント以下の母型の彫刻に使用されます。




















【パターン(亜鉛板)】
彫刻母型の設計図となるのが亜鉛で出来たパターンです。
パターン上に刻まれた文字をベントン彫刻機の針でなぞると、その動きに連動して彫刻刃が動き、母型の材料を刻みます。

【活字鋳造機】
活字地金(鉛合金)を350℃前後で溶かし、母型に流し込んで活字を鋳造する機械です。



【新聞輪転機用の鉛版】
新聞輪転機用の印刷版は円筒形でした。
活字組版を特殊な紙で紙型にとり、活字地金(鉛合金)を流し込んで円筒形の版を鋳造します。
正確な重量はわかりませんが、鉛は比重が大きいので相当重たいはずです。
漫画や週刊誌の一部で今でも用いられている輪転機(活輪)では、扱いの容易な樹脂版を使っているそうです。
こちらは、枚葉機(平判)用の鉛版。限られた活字を効率良く使うために、ページ物、再版物などに用いられたそうです。紙型を保管しておいて、必要な時に鉛版にしていたのでしょう。
一見、現在の亜鉛版、マグネシウム版などの腐食版に似ています。

【紙型】
活字組版から型を取った紙型です。がっつり凹んでいます。
写真やロゴの部分は金属の腐食版を組み合わせているのでしょうね。
先にも書きましたが、この紙型に活字地金(鉛合金)を流し込んで鉛版をつくります。
ご一緒させていただいた出版社の方の会社には、昔の紙型が眠っているそうです。
(ウチには写植の文字版だけが残っていますが、捨てるに捨てられず放置・・・)
カーター大統領就任!とか、ワリチョー年7.388%!?など、昭和の香りを感じます。
昭和52年(1977年)1月21日の夕刊でした。


木版や石版の展示もありました。


以前ご紹介した私のイチオシ「印刷に恋して」で予習していくと、楽しさ倍増間違いなしです。
関係者ではありませんが、ほんとオススメの本です。

印刷に恋して
著者/訳者:松田 哲夫
出版社:晶文社( 2002-01-10 )
定価:¥ 2,730
Amazon価格:¥ 2,730
単行本 ( 198 ページ )
ISBN-10 : 479496501X
ISBN-13 : 9784794965011

活版印刷、写植、バーコ、箔押し、コロタイプなどの工程をイラストでわかりやすく教えてくれます。
教科書的な堅苦しさは全くなく、まるで自分自身が工場見学に来ているようなドキドキワクワク感がたまりません。
印刷の世界は幅広くそして奥深いものだなあ、と改めて実感させられます。
買ったのは数年前ですが、何度読んでも飽きることがありません。
活版印刷に興味を持つきっかけとなった私のお気に入りの本です。

つづく

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