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オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、バーコ(盛上げ)、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。
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2011年3月28日月曜日

手フートの飼い方⑤ レストアの楽しみ

それではレストア開始です。
台車に載せると移動も楽で作業がはかどります。
長年のインキ汚れや油汚れにホコリがこびりついています。
使い古しの歯ブラシ、スチールウール、真鍮ブラシ、ボロ雑巾などで汚れを落としていきます。
ビフォー・アフター
頑固な汚れに苦戦中です。
何とか見られるようになりました。
細かい部品は外して掃除すると楽です。
組み立ての手順を記録しながら、外した部品をグループ毎に小箱に分けて管理します。
外した部品を洗い油に浸け置き中です。
刺激臭がありますので、換気に注意してください。もちろん火気厳禁で。
DIYに慣れていない方は、油汚れを落とす家庭用洗剤が安心ですね。
錆を落とした後は、オイルや防錆剤を薄く塗って保護しておきましょう。
厚く堆積した汚れはスクレーパーで落とすと楽ですが、部品を傷付けないように注意が必要です。
下の写真は、用紙を押さえるフリスケットハンガーです。
右のような状態で用紙に触れたくは無いですね。
スチールウールや真鍮ブラシで丁寧に汚れを落とします。
インキディスクやローラーレール、ローラーコロなど少しでも傷付けたくない部品にはスクレーパーやワイヤーブラシは使用しないでください。
チェースも綺麗に磨きます。
頻繁に触れる部品が汚れていると手に付いた汚れが用紙にも付きますので、折角の作品を台無しにしてしまいます。
ラットなスタイルで飼いたい方も、チェースなど手で触れる部品と、フリスケットハンガーなど紙が触れる部品は綺麗にしておきましょう。
インキディスク、ローラーレール、ローラーコロも綺麗にします。

酷い汚れのインキディスクは電動工具やヤスリで磨きたくなりますが、インキディスクは手フートの命ですから下手に削るのは禁物です。
スチールウールでやさしく、できるだけ傷を付けないよう錆や汚れを落とすようにします。
ピカピカに磨こうと欲張らずに、そこそこに止めておくのが良いと思います。
頑固な汚れや錆には専用ケミカルの出番です。(長時間の浸け置き厳禁)
オイル差し口は完全に目詰まりしています。
これでは長年オイルをもらっていなかったはずです。
傷を付ける心配の少ない爪楊枝が活躍します。
綺麗になった部品を元に戻していきます。
オイル差し口と可動部には必ずオイルを差してやってください。
スプレー式の潤滑防錆剤やサラサラのオイルは避けます。
印刷できるようになるまでは、インキディスク、インキレール、ローラーコロは防錆剤などで保護しておきます。
インキディスク、ローラーレール、ローラーコロ、版胴、圧胴を綺麗にしておかないと印刷トラブルの原因になります。
上記の箇所は念入りに汚れを確認して清掃しておきましょう。
印刷する際は、インキディスク、ローラーレールとローラーコロに油分は大敵ですので、防錆剤や油分を取るようにしてください。

今日のひとこと
「心を込めて整備した手フートは期待を裏切らない」

次回は「インキローラーの調整」です。

2011年3月26日土曜日

手フートの飼い方④ レストアの準備

手に入れた手フートをどのように仕上げるか、自分の好みで決められるのもプライベート・プリンターの楽しみですね。

使い放しのラットなスタイルで飼うも良し。
手入れの行き届いた年代相応のスタイルで飼うも良し。
再塗装をして新品のようなスタイルで飼うも良し。
こだわり出すとこんな事になってしまいますが…。
なお、圧胴を外すと組み立て後の調整が必要になりますので、早く印刷したい人は圧胴や版胴を固定するネジは触らない方が良いでしょう。
ブログ「手フート再生物語

どのようなスタイルで飼うにしても、インキディスク、ローラーレール、ローラーコロ、版胴、圧胴を綺麗にしておかないと印刷トラブルの原因になります。
(ただし、ここの部位にヤスリや電動工具を使うことは避けてください)
特にローラーレールとローラーコロに油汚れがあると、ローラーがスリップして回転が止まり、インキの供給に問題が生じることがあります。
使わない時は錆予防の為にオイルや防錆剤を付けておくと安心ですが、印刷する時はいつも油分を取っておいてください。

【レストアを進めるにあたってのポイント】
・部品を外す時は、組み立てる時のためにデジカメやメモなどで記録を残す。
・小さなネジやワッシャーなどは紛失防止のため小箱に入れ、外した箇所がわかるように部品ごとに管理する。
・適切な工具で作業する。(合わない工具はネジやナットを壊します)
レストアを始める前に、まず古い胴張りを外しましょう。
大きなマイナスのネジが使われていると思いますので、ネジのサイズに合った大きめのマイナスドライバーを用意してください。
前オーナーの胴張りのノウハウを学ぶ絶好の機会ですので、じっくり時間を掛けて観察しましょう。

【胴張りの外し方】
胴張りは圧胴の上下にあるコの字形の金具で圧胴に固定されています。
圧胴の横にあるネジを緩め、コの字形の金具を倒して胴張りを外します。
写真の反対側にも2つのネジがあります。
下側のネジは、圧胴を閉じた状態にして緩めます。
ネジを外してしまう必要はありません。

胴張りは印刷の仕上がりを左右する大切なポイントの1つです。
凸凹などの痛みがあると印刷ムラになりますので再利用は避けた方が良いですが、外した胴張りは大切な参考資料です。
汚れが酷くても捨てないで取っておくことをおすすめします。
素材の種類、組み合わせ方、順番、厚さ、圧胴への取り付け方、見当合わせの方法をよく観察して記録しておいてください。
なに活が見た3台の手フートは、胴張りの厚さを3㎜前後で調整してありました。
この手フートも、
 ・トップシート(0.1㎜厚)
 ・ボール紙(0.9㎜厚×2枚)
 ・ゴムのブランケット(1㎜厚)
で合計約3㎜の厚さでした。
トップシートはカレンダーを再利用していて、見当合わせ用に活字が貼ってありました。
(大きめのメタルベースを使う場合は、活字とメタルベースが当たるため不可)
紙の厚みを測るのは、ダイヤルシックネスゲージが便利です。
測定器としては比較的安価ですので、プライベート・プリンターさんにもおすすめです。
胴張りの厚さは、印刷する用紙の厚みによって調整する必要があり、適正範囲から外れると上下にムラが生じてしまいます。
これは大切なポイントですので、後日詳しくご説明します。
「胴張りは一生勉強」と60年のキャリアを持つアメリカのオペレーターが言うほど奥が深い世界のようですから、なに活も日々心して修行に励んでいます。
デザインの内容(文字ものか、ベタがあるか)、版の種類(活字、金属凸版、樹脂凸版)、印圧(標準か強印圧か)によっても最適な組み合わせが変わります。

胴張りを留めるコの字形の金具を、写真の位置に倒したまま圧胴を強く閉じるとローラーレールを傷付けます。元の位置に戻してネジを留めて作業をすすめてください。
この手フートがどんなオーナーと、どんな仕事をしてきたのか知る由もありませんが、胴張りに残された胴刷りの痕跡を見ていると、これまで歩んできた歴史の片鱗を伺い知ることができます。
そしてまた、積み重なったインキ汚れを眺めながらレストアの構想を練っていると、この手フートが華々しく活躍していた時代のことを想像してしまいます。
現実と空想の世界を行ったり来たりしながらレストアの構想を練る一時はとても幸せな時間です。
今回は「手入れの行き届いた年代相応のスタイル」にしたいと思います。
【用意するもの】
・マイナスドライバー
・スパナ
・使い古しの歯ブラシ
・スチールウール
・真鍮ブラシ
・ボロ雑巾
・パーツクリーナー、洗い油または油汚れ用洗剤等
・手袋
※薬剤などを使う際は火気厳禁、換気に十分注意してください。
さらに、スクレーパー、金属磨き、スパナ、ラチェットレンチがあれば作業がはかどります。
インキディスクやローラーコロ、ローラーレールにこびり付いた汚れや錆は、ヤスリ、スクレーパーや電動工具などで削りたくなりますが止めた方が良いです。
傷を付けたり、偏磨耗させたりする原因になります。
専用のケミカルが便利ですが、DIY初心者は十分気をつけてください。
ピカピカに磨こうと欲張らずに、そこそこに止めておくのが良いと思います。
※薬剤などを使う際は火気厳禁、換気に十分注意してください。

今日のひとこと
「あれこれ構想を練るのはとても幸せな時間」

次回は「レストアの楽しみ」です。

2011年3月11日金曜日

手フートの飼い方③ 飼い主のお作法

ご縁あって中古の手フートを入手できたら、まず最初にして欲しいことはオイルを差してやることです。
軸の部分を観察すると、小さな穴がいくつか開いているのが判ると思います。
この穴に注油するのですが、管理が悪いと汚れやホコリが溜まっていることがあります。
その場合は注油をする前に爪楊枝などを使って耳かきの要領で綺麗にしてください。
くれぐれもゴミやホコリを穴の奥に押し込まないように注意してください。
全体的にホコリの付着が酷いようでしたら、注油口を養生テープなどで塞いで先にホコリを落としてしまいましょう。
車の洗車と同じで上から下へと順に掃除するのがお約束です。
全ての注油口を綺麗にしたらオイルを差してください。
使う度に少量づつ差してやるのが理想的ですが、高速で回転する訳でもありませんので、プライベート・プレスではあまりシビアに考えなくても良いと思います。
でも、穴の湿り具合はいつも気に掛けてあげてください。
このようなオイル差しを使うと便利です。
なに活は風車(ハイデルのWindmill)で使っている粘度の高いShellのオイルを使っています。
ミシンオイルのようなサラサラしたオイルや、スプレー式の潤滑剤は避けた方が良いと思います。
オイルをやりすぎたり、柔らかいオイルを使うと隙間から滲んで漏れてきますのでご注意ください。
次にすることはインキローラーの新調です。
膠(にかわ)で出来た古いローラーは大抵下の写真のように芯棒を残して水飴のように溶けています。
ウレタン製やゴム製のものは一見しただけでは寿命の見極めが付きにくいものです。
古いウレタンローラーは当初の硬度を失ってグミのようにグニョグニョかもしれませんし、インキが染みこんだ古いゴムローラーはせっかく練った淡い特色インキを汚すかもしれません。
2本しかないローラーがインキ元ローラーとインキ付けローラーを兼ねていますので、このローラーのコンディションが印刷品質の決め手になると言っても過言ではありません。
ここは奮発して新しいローラーに替えましょう。
新品のインキローラーは入手できないと思いますので、古いローラーから鉄の芯棒を取り出して再生することになります。
納期は約1ヶ月掛かりますので、インキローラーを待つ間、次回以降にお話するレストアの時間に充ててはいかがでしょうか。
(風車やデルマックスなどは今でも新品のローラーが入手できます)
本格的に使う場合は予備のローラーを持っておきたくなるものです。
仕事で使っていたオーナーさんなら予備のローラーか芯棒を持っている可能性が高いので、手フートを入手する際に聞いてみてください。
巻き替えをどこに頼めばよいか判らない方はオーナーさんに教えてもらいましょう。
なに活がサポートしているプライベート・プリンターさんでしたら、こちらで手配を致します。
(お使いの版(活字)の高さをお知らせください)

ローラー巻き替えの覚悟ができたら早速外しましょう。
芯棒を外す順番は右から左です。
まず芯棒の固定用のピンを引き抜きます。
このピンは右側にしかありません。
紛失していて付いていない事もあります。
(機種によっては左右4箇所ボルトで留めているものもあります)

芯棒を止めている部品を手前に持ち上げ、ローラーを奥にずらすと芯棒が外れます。
少しコツが必要ですが、すぐ慣れると思います。
ローラーコロを落とさない様に注意してください。
落として傷を付けると大変ですので、先にコロを外して安全な場所に置いてください。
左の芯棒の外し方は、右と少し異なります。
芯棒を止めている部品を少し持ち上げ、ローラーを右にずらすと外れます。
この時もコロを落とさないよう注意してください。
先にコロを外して安全な場所へ。
2本目のローラーも同様に右→左の順で外します。
くどいですが、コロに注意です。
ローラーを取り付けるときは逆に左→右の順です。

このローラーは巻き替えるので床に直接置いていますが、本当はいけません。
芯棒で受けて、ゴムがどこにも触れない状態で保管します。
インキローラーはプリンターの魂。
手フートに付けて保管する時も、同じ理由でインキディスクに載せたままはバツ。

【安全について】
手動式で操作も簡単ですから普通に使う分には安全な機械ですが、それでも使い方を誤ると大きな怪我をする可能性があります。
例えば付き添い人が介添して手を出し、圧胴や稼動する部品などに手や指を挟んでしまうケースなどです。
特に小さなお子様には十分気をつけてあげてください。
小さな機械ですが、絶対ナメたらだめです。
介添え禁止!必ず徹底してください。
また、台に載せて使うときは、必ずボルトなどで固定してください。
強い印圧を掛けると機械が動いてしまうことがあり危険です。
約50kgの重量がありますので、移動の際にも気をつけてください。

今日のひとこと
「中古の手フートを買う時は、ローラー巻き替え費用も予算に入れておく事」

次回は「レストアの準備」です。

2011年3月8日火曜日

手フートの飼い方② 買ってはいけない手フート

手フートに限りませんが、中古機械を買うときのポイントは、オーナー(売り手)の機械に対する愛情を知る事だと思います。 オーナーの愛情が深ければ、まず失敗することは無いと考えています。
また、オーナーとの信頼関係ができれば、万一困ったことがあっても力になってくれるはずです。
なに活は「何を買うか」という事より、「誰から買うか」を大切にしています。
前回、欲しい印刷機は遠方でも必ず見に行くというお話をしましたが、機械のコンディションを見る目的と同時に、オーナーの人柄を知る為でもあるのです。
中古機械を買うということは、オーナーの人柄を買うことだと思うのです。
前回、前所有者がわからない出所不明の機械や、印刷機を知らない代理出品者の機械も避けたほうが無難とお話しました。
その理由ですが、そのような手フートは産業機械として役割を終えた骨董品やスクラップとして手荒に扱われた可能性があるからなのです。
つまり、破損、歪み、サビなどの深刻なダメージを負っていたり、チェースやインキローラー(大切なのは芯棒)、コロなどの重要な部品の欠品もあり得るということです。
初めて手フートを買う方が、NC・NR(保証なし・返品不可)が一般的なオークションで実機を見ないで購入するのは相当のリスクを覚悟する必要があります。
先日もチェースが無いプライベート・プリンターさんからご相談がありました。
工夫しながら印刷を楽しんでおられるそうですが、大変なご苦労をされているはずです。
同じように見える手フートでも、チェースの大きさが僅かに異なることがある上、チェース単体で見つかる可能性は低いと思われます。
何とかお力になりたいと心当たりをあたっていますが、これから入手される方はくれぐれもご注意ください。

そう言う「なに活」も授業料は結構払っています。
現物を見ないで買った箔押し機はギアが1つ破損していました。
機械の知識が無い出品者は、機械が壊れていることを理解していなかったようです。
メーカーは既にありませんでしたが、ギアを自作することができましたので笑い話になりましたが、そうでなければ…。
ブログ「小さな箔押し機GET!その2」
せっかく見つけた手フートがそのような機械だったら、どうしますか?
出会いの少ない手フートですから相当悩むと思いますが、なに活だったら次のような手フートは諦めて次のチャンスを待ちます。
【買ってはいけない手フート】
・インキディスク(A)が無い
・チェース(B)が無い(一見同じ機械に見えるものでも微妙にサイズが異なることがあります)
・インキローラー(C)2本が無い (大切なのは芯棒です。ローラーのゴムは消耗品)
・インキローラーのコロ(D)4個が無い
・インキディスク(A)、ローラー芯棒(C)、ローラーコロ(D)、ローラーレール(E)に大きな傷、凹み、腐り(サビ以上)が有る
(綺麗なものでも、電動工具やヤスリ掛けの跡があるのは避けた方が良いです)
・インキディスク(A)の回転に大きなブレ(波打ち)が有る(ディスクの表面や軸の歪み)
・版胴(F)や圧胴(G)に傷や凹みが有る
・印刷レバー(H)がスムースに上下できない
・全体的に酷いサビが有る(雨ざらしの可能性が疑われるもの)
古い機械ですから、完全に無傷ということは無いかもしれません。
この手フートのローラーレールには大きな欠けがありますが、ローラーコロの動きに影響が無いので印刷に問題はありません。
印刷に悪い影響を及ぼす傷かどうか見極めることが大切です。
インキディスクとローラーレールの大きな傷には特に注意してください。
このインキディスクには小さな凹みと、インキヘラによるものと思われる線傷があります。
できれば避けたいところですが、汚れが酷いインキディスクは洗ってみないと判らない事もあります。
オーナーの愛情を失うと手フートの傷は増えていきます。
なお、インキディスクの回転軸の直径は、同じメーカーの機械でも僅かに異なる機械がありました。
部品取り用として入手される際には念の為確認しておいた方が良いでしょう。

【ヒント】
・程度の悪い機械は苦労します。
・オークションは保証無し、NC、NRの自己責任が原則です。
・下見の際、出来れば試し刷りをお願いしてみましょう。
 無理でも最低限印刷レバー(H)は動かすこと(インキディスクの回転をチェック)
・インキローラーは消耗品です。
 いつ巻き替えたか判らないツルツルのローラーは、新品に巻き替える事をおすすめします。
 (納期は約1ヶ月です)
 膠(にかわ)でできた古いローラーは水あめのように溶けていることがあります。
 手フートや台についている時は、熱いお湯などを使ってふき取ります。
・オーナーとの会話は機械のクセやノウハウを学ぶチャンスです。
・可能であればジャッキやファニチャなどの備品や資材も一緒に譲っていただきましょう。
・掃除は自分でする(オーナーの胴張りのテクニックを学ぶため)。
・構造を理解すれば、印刷トラブルにも対処しやすくなります。

価格は稀少な中古品ですので一物一価です。
また、要整備のものからオーバーホール済みまでコンディションによっても様々です。
業務用手フートは一般的なサイズで重量が約50㎏ありますので、運搬の方法や設置場所についてはよく検討してください。

今日のひとこと
「中古手フートを買うということは、オーナーの人柄を買うこと」

次回は「飼い主のお作法」です。

2011年3月6日日曜日

手フートの飼い方① おウチで飼える活版印刷機

個人で活版(凸版)印刷を楽しみたいという方から、手フート印刷機の入手についてよくご相談をいただきます。
なに活がお話している内容をまとめてみます。

【Adana-21J】
なに活が知る限り、今でも新品で入手できる活字が使える印刷機は、朗文堂さんの「Adana-21J」だけです。http://www.robundo.com/adana-press-club/kit/index.html

(株式会社朗文堂アダナ・プレス倶楽部様のWebサイトより引用)

実機を使ったことは無いのですが、重量が約20㎏ということなので、おうちで活版にはお手頃サイズだと思います。
また、国産の新品ですからサポート面や、消耗品・資材の供給面でも安心感があります。

【Lifestyle Crafts Epic Combo Kit】
使用する版が樹脂版や金属版に限られますが、版画のプレス機のミニチュアのような構造の機械です。http://lifestylecrafts.com/products/letterpress.html
(Lifestyle Crafts, LLC様のWebサイトより引用)

残念ながら国内には輸入されていないようですので、個人輸入で入手することになります。
この機械で作品づくりをされているデザイナーさんに見せていただきましたが、小さい機械ながら用紙はしっかり凹みます。
(Lifestyle Crafts, LLC様のWebサイトより引用)

オプションでレタープレスに似合う素敵なデザインの樹脂板がたくさんあるのもポイントです。
凹版で使えるかは判りませんが、チャレンジされた方がいらっしゃいましたら是非結果を教えてください。
個人輸入の手間暇と送料がかかりますが、比較的手頃な価格ですので、活字にこだわらない方の入門機としても良いですね。

【中古の手フート】
業務用の手フートやアンティークの印刷機は中古機械を探すことになります。
海外のオークションを眺めていると、選り取り見取りで羨ましい限りですが、引き取り限定や海外発送不可となっていることが多く、なに活は利用したことがありません。
また、国内のオークションでも時折出品されていますが、中古印刷機は写真だけでコンディションを確認することが難しく、なに活が中古印刷機を入手する時は必ず現物を確認するようにしています。

どうしても欲しい機械は、遠方でも必ず見に行きます。
また、オーナーさんからいろんなお話を聞けるチャンスでもあります。
前所有者がわからない出所不明の機械や、印刷機を知らない代理出品者の機械も出来れば避けたほうが無難です。
プライベート・プリンターの印刷機がオブジェになってしまっては洒落になりません。

中古の手フートとの出会いは一期一会。なに活は即断即決を心がけています。
今日のひとこと
「中古手フートとの出会いは一期一会」

次回は「買ってはいけない手フート」についてお話しようと思います。

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