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オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、バーコ(盛上げ)、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。
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2010年12月14日火曜日

活字のふるさとを訪ねて(4)

モトヤさんの活字資料館のレポート最終回です。

【自動フート印刷機】
動力式の活版印刷機がありました。
このタイプの実物を見るのは初めてです。
手フートにモーターを付け加えた構造で、インキの供給と圧胴の動きが自動化されていますが、給紙と排紙は手フートと同様に手で行います。
手フートと比べると、インキを溜めておくインキ壺がある、インキローラーが1本多い(3本)などの特長があり、生産性と品質の向上が図られています。



















インキ壺が付いています


インキローラーは芯棒だけになっていました


【和文タイプ・ワードプロセッサ】
活字が形を変えて進化していく過程ですね。
活字をインクリボン越しに紙に押し当てて印字をします。
僅かに子供の頃の記憶に残っている程度で、こちらも詳しくありません。
資料の撮影に夢中で、残念ながら解説を聞き逃してしまいました。
次の機会にはぜひこの時代を学びたいです。
メカ好き男子にとっては格好の被写体ですので、とりあえず写真だけでも。



 

【活版活字とタイプ活字】
活版活字は鉛を主成分としたアンチモニー・錫の合金ですが、タイプ活字は亜鉛を主成分としたアルミニウム・銅の合金です。
その成分の違いにより、タイプ活字は活版活字よりも硬く、鋳造温度も異なります。
(活版活字は300度前後、タイプ活字は420度前後)
また、形状面の違いとして、タイプ活字のネッキ(切り欠いた溝)は活版活字のそれよりも大きくなっている事と、タイプ活字の字面はタイプレスのプラテンの曲面率に合わせた曲面活字になっています。この曲面活字は、モトヤ様の特許なんだそうです。
タイプ活字の母型も、ベントン彫刻機によって彫られた父型から作っていたそうです。

タイプ活字(写真提供モトヤ様)


















 
活版活字(写真提供モトヤ様)















【歴史に学ぶ】
先人の知恵と工夫による進化の過程と情熱の証を、この活字資料館で学ぶことができました。
また、文字の美しさ、可読性という活字の設計ポリシーはデジタルフォントにも引き継がれ、メディアや用途など現代のニーズを取り入れながら進化を続けていました。
私にとってこの活字資料館はノスタルジアに浸る場所ではなく、未来を考える場所となりました。



 進むべき道に迷ったとき、
歴史に学ぶ「活字資料館」を再訪しようと思います。
最後にモトヤの皆様には大変お世話になり、誠にありがとうございました。
特に野口様には過去の社内報まで遡って資料をご提供頂きました。
重ねて御礼申し上げます。


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