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オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。
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大阪府公安委員会 第62113R030016号 株式会社大同印刷所

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2017年12月15日金曜日

手フート★レスキュー隊

昭和20年代に購入した手フート(テキン)を復活させたいという印刷会社さんからヘルプコールがありました。
本体は残っているけどローラーが見当たらないので、芯付きのローラーを至急購入したいとのことでした。
お話しを詳しく伺うとフレームにNGIの鋳出しがあるということなので、昭和23年から製造されていた永井機械製作所の「NA-2型美濃半裁手フート印刷機」で間違いないようです。
1万5千台ほど生産された人気のプレスで、私のと同じ機種ということもあり、ちょうど巻き替えたばかりの在庫がありましたので早速発送の準備をしました。
輸送事故があってはいけませんので、ゴムがどこにも触れないように芯だけで支えるように固定してから外函に入れ、緩衝材を入れて発送の準備完了です。
















製造から70年近くになる手フートの復活・・・これぞ活版愛ですわ◎
テフウトくんも大喜び。















2016年3月26日土曜日

100%天然植物抽出油の洗浄液モニター募集

【なにわレタープレス製版所よりお知らせ】
4月30日までに製版のご依頼をいただいたプライベートプレスさんに、500ccを無料で差し上げます。
従来の石油系溶剤及び合成溶剤と異なり、100%天然植物抽出油を使用しているため、身体の作業衛生面でより安全です。
ご使用後、今お使いの洗浄液との比較など使用感をお知らせください。
製版のご注文の際に「洗浄液モニター希望」とお知らせください。
(製品の特長)
※ 100%天然植物抽出油を使用
※ 洗浄後、ロール上にいやな油膜を残さない
※ 合成洗剤と異なりゴム質にソフト
※ 天然自然の果実の香り
※ 低燃性

2016年3月9日水曜日

プライベート・プレスの悩み

プライベート・プレスさんから洗浄液の選び方について良くご質問をいただきます。
今週も三名の方から続けてご質問をいただきましたので、今日は洗浄液について書こうと思います。

洗浄液の選択で考慮するポイントは、「安全」「性能」「入手性」「コスト」4つです。
どれを重視するかという事は人によって環境も考え方も異なりますので、正解というのは人の数だけあると思います。
この点をお含み置きの上、読み進めていただければと思います。

インキの洗浄だけが目的であれば、石油系溶剤(ソルベント)の他に、ガソリン、灯油、オイル、アルコールなど、実は多くの選択肢があります。
ただし、レタープレス・プリンターはゴムローラーや版(活字・凸版)への影響も併せて考慮しなければなりません。
入手しやすい物は、残念ながらおすすめ出来ないものばかりです。

×ガソリン・・・引火しやすく危険
×灯油・・・揮発が遅く、残った油分が着肉不良の原因に
×アルコール・・・ゴムローラーや木活字を傷める
×サラダ油・・・ゴムローラー表面の微細な孔が詰まる

ただし、デメリットを正しく理解した上で適材適所という考え方は「あり」だと思います。
例えばあるレタープレスプリンターは、金属活字の洗浄にだけアルコールを好んで使っています。また、灯油は活字に適さないが、ローラーにはOKというプリンターもいます。

石油系溶剤(ソルベント)をベースとした業務用の洗浄液には安全面のリスクが存在することは否定できませんが、正しい理解と行動により低減することはできます。
(十分な換気、手袋の着用、使用後ウエスの密封)
業務用のものはMSDS(化学物質等安全データシート)が入手しやすいので、配合されている成分と健康上のリスクを把握しやすいとも言えるでしょう。
中にはアルコール成分を含むものもあるようですので、木活字を使うプリンターはMSDSを確認しておくと良いでしょう(字面をコーティングしているシェラックはアルコールに溶解するため)。

私が自宅で印刷するプライベート・プレスであったとしても、ローラーのコンディションの維持を優先して業務用の洗浄液を選択すると思います。
業務用の洗浄液以外の選択肢を探している方には、画材店でご相談されることをおすすめしています。
(リトグラフなどで使うプリントクリーナー、臭いの少ないブラシクリーナー等があります)

いずれにせよ毒性と引火性のある化学物質でありますから、保管と使用にあたっては十分な注意が必要であることは言うまでもありません。
小さなお子さまやペットのいる環境の方は、特にご注意ください。

有機溶剤を含まない植物油ベースの洗浄剤があるらしいと聞いて、資材の仕入れ先に照会しています。
良い情報が入りましたら、あらためてお知らせしたいと思います。

なお、手フートをお買い求めいただいた方や、製版のお取り引きをいただいている方には、容器を持ってご来社いただければ業務用の洗浄液を小分けいたしますのでお申し付けください。
(プライベートプレスの方に限らせていただきます)

2015年6月8日月曜日

For SALE

昨年まで稼働していイギリス製のCropperという大変珍しいプレス。
元は足踏み式だったのをモーター駆動に変更。
給紙、排紙は手になりますので、それなりの覚悟は必要です。
場所は名古屋。
飼いたい方は、なに活まで





2015年3月7日土曜日

手フートの飼い方 レストア編④

巻き替えを頼んでいたローラーが仕上がってきました。
ローラーコロの新調は予想外の出費でしたが、印刷品質を左右する大切な部品なので妥協できません。
















塗装の乾燥を待って組み立てました。
ようやく完成・・・のはずでしたが。
圧盤の位置が見るからに狂っていました。
これではまともに印刷できません。
ある印刷所の方からお聞きした昔話しですが、職人が工場を去る時、自分が担当した印刷機にちょっとした悪戯をすることがあったそうです。
壊してしまうような悪質なものではなく、調整で治るような細工を。
ちょっと理解できない行動ですが、本当は大好きな相手なのに意地悪をしちゃう子どもの頃の心境に似ているのかもしれません。
不揃いのローラーコロの件も含めて、前オーナーが仕掛けた謎々のように思えてきました。
















圧盤の後ろにある4か所のネジで調整します。
















チェースのコーナーに初号活字を組んで圧盤の天地左右のバランスを確認します。
















調整を終え、レストア完成です。
暖かくなったら車の荷台に載せて、どこか旅に出かけようと思います。
















以上、レストア編でした。


2015年2月22日日曜日

手フートの飼い方 レストア編③

オリジナルの塗装を剥離します。
剥離剤を塗ってしばし放置。
















ゴシゴシこすって、また剥離剤を塗ります。
これを何度か繰り返します。
















鋳物の地肌が出てきました。
















塗装の剥離が完了しました。


















塗装しない部分をマスキングします。
















いよいよ塗装開始です。まずは塗りにくい部分に色を乗せます。
















薄く塗装して乾燥、また塗装を繰り返して徐々に塗膜を厚くしていきます。
















細かなパーツは吊るして乾燥します。














角度を変えながら塗り残しがないよう塗り重ねます。
塗膜が厚くなってツヤが出てきました。
















塗装が完成しました。
















土台もリフレッシュ。
















入手時に欠品していたネジの手配を某社にお願いしていたのですが、現物を預けていたのに間違ったものが届きました。
再度問い合わせると、古い規格のものなので入手不可との回答。
そこで新・活字ホルダーでお世話になっている廣田さんにヘルプコールをしたところ、活字鋳造機など古い機械の修理のご経験から、旧JIS規格かイギリス規格のウィットねじではないかとのことでした。
ウィットネジであれば入手可能なので、ネジの規格を調べてみるようにとのアドバイスをいただきました。
早速ネジのピッチを測るゲージを購入して調べてみると、今でも入手が可能なウィットネジでしたので無事入手することができました。
















つづく

2015年2月9日月曜日

手フートの飼い方 レストア編②

塗り直しのため、分解しながらインキ汚れやサビを落としていきます。















最初にハンドルを外そうとしますが、軸に打たれたクサビがピクリとも動きません。
潤滑剤を吹いたり、ハンマーで衝撃を加えたり、バーナーで炙ったり、悪戦苦闘しました。
古い鋳物ですのでレバーを割ってしまう可能性があり、諦めようかと思った頃にスルリと抜くことができました。















あとは順調に外せました。組み立ての時迷わないように整理しながら進めます。















スクレーパーやワイヤーブラシで大まかに錆びを落とした後、錆び落としのケミカルに漬け置きします。















土台の無垢板の汚れも綺麗に。木目が見えるようになりました。















必要以上に分解すると、組み立てた後の調整が面倒になります。
ここまでバラせば塗装できますので、分解はここまでにします。















つづく

2015年2月5日木曜日

手フートの飼い方 レストア編①

昨年末に入手した手フートは、入手前から判っていた事なのですが酷いコンディションでした。
ローラーは1本が欠品で、残った1本は溶けてチェースに固着してしまっており、レバーを動かすことができませんでした。
また、インキローラーを動かすアームを構成するネジが1本欠品しているのと、インキディスクの全面に乾いたインキが固着しています。
良く見かけるNGIのテフートより一回り小さいので、旅のお供に連れだす事を目標にレストアを開始します。














固着したチェースを力ずくで外すとレバーが動くようになりました。
ローラーはこの通りボロボロの状態です。














ローラーを取り外し、ローラー屋さんに巻き替えをお願いしました。
不足の1本は芯から新調することにしました。














ローラーコロは揃っていましたが、念のため径を測ってみるとバラバラ。
やむなくコロも製作することにしました。
















ここまでは昨年のうちに段取りを済ませていました。
年始からは手つかず状態でしたが、ようやく昨日から作業再開です。
まずはインキのこびり付いたディスクを綺麗にすることにします。
固まったインキは、通常の洗浄液では全く落ちませんでした。
















こういう時はインキ落としのケミカルの出番です。
















しばらく時間を置いて、ウエスでゴシゴシ。
ようやく半分落とせました。
















出来上がり。カメラを構えるなに活が写り込んでいます。
エクボが幾つかあるのに気づきました。
恐らくほとんど印刷には影響がないと思います。
















胴張りを取ると、ブランケットを接着していた両面テープが圧盤に残りました。














これも固着していて厄介でしたが、ケミカルの力を借りて綺麗に剥がせました。














本体を明るい色に塗り替えようと思いますので、土台の木を外します。
マイナスネジなのでナメないよう慎重に外してみたところ、何と単板の無垢材でした。
年数を経た木なのでギターにしたら良い音を奏でるかもしれませんね。
















つづく

2011年4月11日月曜日

手フートの飼い方⑦ トラブル診断

今回はプライベート・プリンターさんからのご相談事例です。
 ・活字(版)にインキが付かない
 ・印刷ムラが出る
とのことで診断させていただくことになりました。
インキローラーはあまり使用感のない良い状態で、直径は「なに活」のものと同じ35㎜。
特に不具合は見受けられませんでした。
早速ローラーセッティングゲージで診断を開始します。
本来でしたら、版胴とローラーの間に差し込んだゲージにインキが付くはずなのですが、ご覧の通り大きな隙間が空いています。
活字の高さは生産国や鋳造所によって僅かに異なりますが、何れにせよこれだけの隙間があるとインキは全く供給できません。
飼い主さんは、活字やメタルベースと版胴の間に厚い紙を挟んで調整されているそうです。
ムラ取り目的の薄紙ではなく、1㎜以上の厚い紙を敷くのは印刷ムラの原因になっている可能性があり、早く本来の姿に戻してあげたいものです。
(参考)活字の高さ
1962年(昭和37年)に制定されたJIS規格によると23.45㎜です。
許容差は±0.03㎜(3~24ポイント)、±0.04㎜(26.25ポイント以上)
参考資料 JIS Z 8305-1962 活字の基準寸法

版胴には大きな凹みも無さそうで、なぜこんなに大きな隙間が生じるのか不思議だったのですが、インキローラーのコロを調べてみて判りました。
なに活の同じ手フートのものに比べて、直径が約3㎜も大きいのです。
すなわちローラーの高さでは約1.5㎜も高いことになります。
また、なに活の3台の手フートのコロは全て厚いメッキで覆われているのに対し、こちらは剥き出しの鉄素材のため錆の跡も見受けられ、角の加工も異なります。
あくまで想像ですが、以前のオーナーさんが特殊な版に合わせて加工されたコロではないかと思います。
また、困った事にノギスで径を確認すると僅かに差があり、一部で径が異なることも判りました。
コロはインキをムラ無く供給するのに重要な役割を果たしますので大変心配です。

ここで飼い主さんと作戦タイムです。
考えた対策は3つ。
(a)活字やメタルベースの下に敷く紙を硬いものに変える。
(b)コロを削って小さくする。
(c)インキローラーを太く巻き替える。

(a)は本来の姿に近づけるという趣旨からバツ。
(b)は1点ものの加工を引き受けてくださる工場に心当たりが無く、仮にあったとしても万一の加工ミスのリスクは負えないとの判断でバツ。
その結果、(c)のローラー巻き替えをする事になり、手フートをお預かりしました。
ローラーの巻き替えにより、(1)の「活字(版)にインキがつかない」という問題が解決できる見込みになりました。

完治の兆しが見えてきて少し安心しましたが、1つ気掛かりなのは例のコロです。
ローラーの径を太く調整しても、肝心のコロが綺麗に回転しなければムラになったり、インキが付かない部分が出るかもしれません。
新調するローラーのためにも念のために詳しく調べておくことにします。
今度は通常より大きなローラーセッティングゲージを使って測定をしていきます。
ゲージについたインキの幅をコンパスで測り、物差しで数値を読んでいきます。
数値が小さければ接触が弱く(ローラーが高い)、大きければ強い(ローラーが低い)ことになります。
前に述べた通りコロは径が約0.3㎜異なるものが混在しています。
ほぼ同じ大きさのもが2個づつありましたので、組み合わせ方を3パターン想定して測定してみました。
下の表が結果をまとめたものです。大変なことが判明しました。
測定場所は版胴の上、中、下と、左、中、右として9カ所を測定しました。
念のため2回目の測定をすると、測り間違えたかと思うほど大きな差が出たため、3回づつ測定することにしました。
なに活のコロも合わせて108回の繰り返し作業となりました。(ゴ~ン)
元のコロはどの条件でも測定の度にバラツキがあったり左右のバランスが悪く、残念ながら偏摩耗や偏芯した精度の悪いコロと判断せざるを得ない結果となりました。
「買ってはいけない手フート」だったのかと落ち込んで相談に来られた飼い主さんの残念そうな表情が蘇ります。

この結果を見てやはり原因であるコロを何とかしなくてはいけないと思い、飼い主さんに1つの提案をしました。
飼い主さんはしばらく前に購入されたそうですが、自分の調整の仕方が悪いのかも?とずっと試行錯誤されておられ、購入したお店に相談されていなかったそうです。
今回の診断でローラーコロに問題があることがはっきりしましたので、購入したお店に事情を説明してローラーコロの交換をお願いしてはいかがでしょうか、とお伝えしました。
飼い主さんから連絡を受けた購入店から、すぐに替わりのコロが送られてきました。
ヤスリで磨いたと思われる縞模様が気になりますが、影響は少ないと判断してテストをすることにしました。
インキディスク、ローラーレール、ローラーコロにヤスリや電動工具は避けてください。
巻き替えをキャンセルしたローラーが戻ってきましたので、ローラーセッティングゲージで測定をします。
気になる結果は・・・問題なし!
前回のテスト同様3回繰り返しましたが、バラツキは誤差の範囲内でした。
課題は残るものの、印刷テストもまずまずの結果。
あとはローラーの高さ、胴張り、圧胴の調整でベストセッティングを探ればOK。
調子を取り戻した手フートを飼い主さんにお返しすることができて良かったです。

今日のひとこと
「トラブルの解決は原因を知ることから」

次回は「胴張り」です。

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