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オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、バーコ(盛上げ)、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。
名刺、招待状、ステーショナリー、年賀状のカスタムプリンティング承ります。 ワークショップや、活版印刷機の時間貸しもしています。

大阪府公安委員会 第62113R030016号 株式会社大同印刷所

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2013年3月25日月曜日

壁文字プロジェクト@なに活 お披露目会&懇親会


~二人のカリグラファーがレタープレススタジオの壁を手書き文字で飾ります~
4月1-3日、カリグラファーの清水裕子さんと三戸美奈子さんが「好奇心・妄想・実験」をテーマに、なに活の壁に手書き文字を書いてくださいます。
その壁文字の完成を記念して、4月6日(土)にお披露目会と懇親会を開催します。

14時からのトークイベントでは、制作にまつわるエピソードをお二人にたっぷりと語っていただきます。
また、18時からは軽食とドリンクをご用意して立食形式の懇親会を開催します。
完成したばかりの作品を眺めながら、清水さん、三戸さん、ご来場の皆さまと懇親を深めていただく絶好の機会です
カリグラフィ、レターアーツ、タイポグラフィ、デザイン、アートにご関心をお持ちの皆さまでぜひお誘い合わせの上ご来場ください。

※懇親会へ参加される方のみお申込みが必要です。

 下記のリンク先からお申込みいただけます。
 http://twipla.jp/events/45921 

2013年4月6日(土)
開  場 13:00 - 18:00 (トークイベントは14:00‐14:30) ※予約不要、無料
懇親会 18:00 - 20:00 (「参加」申し込みが必要です。無料)
場  所 なにわ活版研究所
大阪市北区大淀中3丁目8番11号
株式会社大同印刷所1階
06-6453-2041
http://kappan.did.co.jp/

会場へのアクセスはこちらをご覧ください。
http://www.did.co.jp/nanikatsu/workshop/accsess.html

清水さんは関西、三戸さんは関東を拠点として国内外で活躍するカリグラファー。
ご自身の作品制作・発表の傍ら、ワークショップやセミナーなどの企画・運営を通じてアーティスト同士の交流や後進の育成にも注力されている。
昨年、東京と神戸で開催された二人展ではコラボレーション作品も発表。

清水 裕子(しみず ひろこ):http://www.studio-letterarts.com/
三戸 美奈子(さんど みなこ):http://www.andscript.jp/



[Wall Writing Project at Nanikatsu.]
From April 1 to 3 Hiroko Shimizu & Minako Sando will be writing and drawing letters on the walls at Nanikatsu under the three themes of Curiosity, Dream, Experiments.

Join us for a reception!
We look forward to seeing you.

Opening reception
Date : April 6, 2013(Sat)
Time : 6 pm to 8 pm
place: Nanikatsu
3-8-11 Oyodo-naka Kita-ku Osaka 531-0076 Japan
http://www.did.co.jp/nanikatsu/workshop/accsess.html

2013年3月14日木曜日

【印刷実験】エンボス加工あれこれ

久々に印刷実験してみました。
みなさん既にご存じとは思いますが、まずはおさらいから。

(エンボスとは)
エンボス加工とは、凹の型(雌型)と凸の型(雄型)で紙に圧を加え、絵柄を浮き出させる加工です。
加工した部分の断面は凹凸になり、裏面は凹んだ状態になります。
裏面に絵柄がある場合は注意が必要です。

(エンボス以外の加工方法と注意点)
他に浮き出しの方法として、バーコ(サーモグラフィー)、スクリーン印刷(UVインキ)やインクジェット(UVインキ)によるものがありますが、エンボスとは異なり紙の断面は凸状です。
なお、オフセット印刷でも、回数を重ねればだんだん盛り上がってきます。
こちらは、スタッフのしろがUVオフセットでやった実験です。
http://uv.did.co.jp/wordpress/paper/%e3%80%90%e5%8d%b0%e5%88%b7%e5%ae%9f%e9%a8%93%e3%80%91%e6%9c%80%e5%a4%a7%ef%bc%92%ef%bc%93%e5%9b%9e%e3%81%ae%e9%87%8d%e3%81%ad%e5%88%b7%e3%82%8a%e3%82%92%e3%82%84%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%bf%e3%81%9f_5575/

空押し(打ち込み、デボス)は凸状の版で、インキを用いずに紙を凹ませる加工です。
白紙部分とのコントラストをつけるため、あえてメディウム、白や極薄い色などで印刷をする場合もあります。
用紙の種類や特殊な加工においては、熱を加えながら行うこともあります。

デザインの内容や用紙によって、各方式の加工適性や仕上がりが異なります。
例えば、バーコは紙に熱を加える為、熱に弱い紙は使えません。
また、浮き出し、盛り上げという言葉は、様々の加工方式に混用して用いられることがあります。
発注先とよく打ち合わせを行い、行き違いが生じないよう注意しましょう。
なお、なに活では、スクリーン印刷(UVインキ)とインクジェット(UVインキ)による盛り上げ印刷は行っておりません。

それでは早速実験してみましょう!

(かすれた感じ)
なに活では通常、雌型に亜鉛の腐食版を使っています。
微妙なカスレ具合の完全な再現は難しいので、製版会社さんには「成り行きで」とお任せしました。
データと若干異なるニュアンスになりますが、再現できました。

(小さな文字、細い線)
小さな文字や細い線は、十分に盛り上がらなかったり、再現できない場合があります。
この写真からも盛り上がり方の違いが判ると思います。
紙はクッション紙の0.5、最小の線巾は約0.6pt(約0.2mm)です。
一概には言えませんが、最小線巾が紙の厚さの半分を超えると影響が出始めると考えていいと思います。

(用紙の種類)
用紙によって盛り上がり方に違いがありました。
嵩があって柔らかい紙は、プックリとより立体的な感じがします。
(上)左:特Aクッション 右:GAファイル ブルージーン
(中)OKマシュマロCoC
(下)左:ハーフエア ヘンプ 右:クッション紙


(用紙の色)
立体感を感じるのは、主に影によるものですから、濃い色の紙(特にマット系)では浮き出しが目立ちにくくなります。
光を良く反射する紙では、光の加減によって光沢が変わる部分があるので、マット系よりは認識しやすくなる感じです。
(上)プライク レッド
(中)クッション紙
(下)スペシャリティーズ №357-N

画像では黒っぽく見えますが、スペシャリティーズ №357-NはPETを貼合した青い紙です。
実物のエンボス部分は、もう少しはっきり見えます。
光の加減によって光沢感が変わりますので、プライクよりは認識しやすい感じです。

(いろんな紙)
桃はだはエッジが不鮮明な感じで、滲んだ感じに見えます。
以前の空押しの経験からすると、熱を掛けながら加工することでエッジはシャープに仕上がると思います(要検証です)。
なに活のお気に入りは玉しき あられ。
デザインを上手に組み合わせれば、素敵なエンボス作品になる予感がします。

(まとめ)
・デザインと用紙にふさわしい加工方式を選択しよう。
・細い線、小さな文字と紙の厚さに注意。
・用紙の色と、浮き出しの見え方に注意。
・加工を依頼する先と十分に打ち合わせを。
 (具体的な相談には、デザイン案を)

(サンプルプレゼント)終了しました
なに活のFacebookページに「いいね!」を下さっている方に、抽選で5種のサンプルセットをプレゼントします。
ご応募の締め切りは3/31(日)で、申込み多数の場合は抽選とさせていただきます。
当選の結果は、発送をもって代えさせていただきます。
お申込み方法はこちらをご覧ください。
http://www.facebook.com/nanikatsu

(用紙の種類)
特Aクッション、ハーフエア ヘンプ、クッション紙、GAファイル ブルージーン、OKマシュマロCoC

特Aクッションには、マーブリングの小口染めをしてみました。



2013年3月10日日曜日

テキンという名の由来

ある時から、「テキン」という名前はどこからきたのかずっと気になっています。
あまりにも気になるので、アンケートをしてみた事もありました。

(過去の記事)手フート vs てきん アンケート
http://kappan.did.co.jp/2011/10/vs.html

その時、「手」とインキングの「キン」が由来のようだと教えてくださる方がありました。
また、「ハンドプレス・手引き印刷機」板倉雅宣(2011年)朗文堂(18頁)にも、

「手キン」の「キン」は、何から来たのかを考えるとき、
inkingのイン[キン]グの[キン]が使われ「手キン」となったものと想像される。

とありました。
しかし、私の知っているテフート、テキンは自動でインキ着け(Self Inking)を行いますから、「手」や「インキング」がなぜ名前に関係するのかが理解できませでした。
印刷者がインキ着けを行うHand Inking は、手引き印刷機(Hand Press)のものと思い込んでいたのです。
と言う訳で、私自身のなかでは、テキンの由来は不明のままとなっていたのです。

ところが、先日入手した「活版総覧」森川龍文堂(昭和8年)を眺めるうち、ようやく理解することができました。
小型のフート印刷機には、自動でインキ着けを行うSelf Inkingのものと、Hand Inkingのものとがあり、同時期に販売されていたのです。
この本とともに、テキンの名前の由来を考えてみたいと思います。

手フート、テキンのルーツは、19世紀の半ば、アメリカのゴードン(G.P. Gordon)が開発したGordon Franklin Pressに遡ることができます。
足踏みで動かしますが、フライホイールにベルトをかけて蒸気機関や電気モーターで動かすこともできました。
Bed(版盤)とPlaten(圧盤)はClamshell(二枚貝の殻)のように蝶番でつながり、印刷時にはほぼ垂直に位置します。
また、インキ練りとインキ着けを自動で行うなど、15世紀のグーテンベルグの手引き印刷機(Hand Press)から大きな進化を遂げました。


ゴードンが自分の印刷機に18世紀の偉人ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)の名を用いたのは、印刷機の改良点をフランクリンが夢で教えてくれたと主張したからでした
Gordon Franklin Pressは、Job、端物(はもの)と呼ぶ小ロット印刷に向いた印刷機(Jobbing Platen Press)として、その類似機とともに普及しました。
今日では、Jobbing Press, Jobberなどと一般名称で呼んだり、製造会社やブランド名(Gordon, Chandler and Price, Golding, etc. )で呼びますが、当時はどうだったのでしょうか。

日本で初めてこのタイプの印刷機(フート印刷機)を購入したのは、パリ万国博の帰途にあった清水卯三郎氏で、1868年に日本に輸入されました。
その後、国産メーカーもそれにならって作り始めたようです。
私が知る限りでは、中馬鉄工所で製造されたものが1台現役で活躍しています。
閑話休題。
「活版総覧」森川龍文堂(昭和8年)は活字の見本帳ですが、後半に印刷機材の広告も載っています。
ハート型のフレームが目を惹く足踏み印刷機が「フートプレス印刷機械」として掲載されています。
私の英文資料には、足踏み印刷機として「Foot Press」という呼び方は見当たらず、treadle, foot treadleが用いられています。
恐らくJobbing Pressや特定の名称が馴染まず、和製英語として「フートプレス」が定着したのではないかと想像しています。
手フート、テキンもフートプレスの一部として認識されていたようです。
別のページでは「手引フート印刷機」とあります。
やはり、手フートの由来は「手」と「フート印刷機」ですね。
今よく見かける手フート、テキンは、フレームにNGIの鋳出しがあるものですが、これを昭和23年から製造していた永井機械製作所の品名は「NA-2型美濃半裁手フート印刷機」でした。
また、「印刷機械」中村信夫(昭和34年)印刷学会出版部では「手フート」、「凸版製版印刷技術」鎌田彌壽治他(昭和36年)共立出版株式会社では「手キン・手フート」という表記でした。

「活版総覧」のページをめくり、左下の「號型軽便フート」を見てピンときました。
これはインキ着けを自分でする「Hand Inking」の手フートです。
その発音は「ハンデ ィン キン」に聞こえます。
「ハンド キン」と聞こえたから「手キン」となった訳ですね。
でも、なぜSelf Inkingのものまで「手キン」と呼ぶようになったのでしょうか。
「號型軽便フート」(Hand Inking)は、チェース内寸法が6寸×4寸とのことなので、約A5サイズまでということになります。
価格は5圓50銭とのことですが、ほぼ同じサイズでインキ着け装置の付いた手引中判フート(Self Inking)が28圓ですから、インキング装置の有無で価格が1/5になることになります。
小型で安価なHand Inkingのフート印刷機は、アメリカでアマチュアプリンターや、商店などでの自家使用としての需要を満たしたように、日本でも入門機や予備機としても重宝されたことでしょう。
そして、「テキン」の愛称で親しまれるうち、小型で安価な印刷機の名称としていつしかSelf Inkingの手引フートプレスも含めて呼ぶようになったのではないかと。
また、大きな足踏みのフートプレスと、小型の手引きのフートプレスをまとめてフートプレスと呼ぶことに不都合があったのでしょう。
それらを明確に区別するために「手キン」という呼び方に落ち着いた・・・そう考えると納得です。
また、「ハンドプレス・手引き印刷機」板倉雅宣(2011年)朗文堂(17頁)に、『最近「手金」と書かれていることがあるが、そうは書かない。』というのも理解できます。
当たらずといえども遠からずと思えるのですが、みなさんはいかがでしょうか。

(3/12追記)
日本印刷年鑑1953(昭和28年)日本印刷工業会の印刷用語集では、
 手きん・・・手動式の端物専門の小型印刷機。
 手フート・・・手動式フート印刷機。
 フート・・・版も圧盤も縦についている平圧印刷機。
       足踏みのものも動力掛けのものもすべてフートという。
とありました。
この年代では、手きん=手フートではなく、手きんは手フートより小型の印刷機と位置づけられていたことが伺えます。

2013年3月5日火曜日

Letterpress Mini-Poster “Anatomy of Type—Imaginary Lines, Areas, and Heights”

なに活のスタート以来お世話になっているeszett design さんの新作をお手伝いさせていただきました。
実はこの作品には大変思い入れがあります。

2011年5月、NYへレタープレスの修行の旅に出掛ける直前、当時まだプロトタイプであったeszett designさんのデザインに一目ぼれし、無理をお願いして製版をさせていただいたのです。
出発直前まで業務に追われ、フラフラの状態で何とか製版を終え出国しました。
その版をブルックリンのThe ARMに持ち込んで刷った時の写真がこれです。
プライクのレッドとハーフエアのコットンを日本から持ち込みました。
壁に吊ってあるのが、刷りたてホヤホヤのプライクです。
しかし、私の製版にミスがあり、細い線がよれるという大失態をしでかしたのでした(泣)。
VANDERCOOKで刷ったのは、この時が初めてでした。
ペダルを踏んで用紙をセットし、ハンドルをグルンと回して出来あがり。
そんなリズム感や音がとても気に入り、その年の9月にはLAのオーナーからSP15を購入することになる訳です。
これで再挑戦の環境が整い、あとはeszett designさんのデザインが完成するのを待つばかりとなりました。
そして、この度、皆さまにご紹介できる運びとなりました。

お気に入りのスペースに飾りやすいB4サイズのミニ・ポスターです。
額装してインテリアとして、またプレゼントとしても喜ばれると思います。
詳細はeszett designさんのこちらのページをご覧ください。
http://www.eszett-design.com/goods.html



Letterpress Mini-Poster “Anatomy of Type—Imaginary Lines, Areas, and Heights”
 活字や書体においては仮想線名や場所名、高さの名にたくさんのバリエーションがある。
それらを集めてまとめたB4版レタープレスポスター。
額装してインテリア、またプレゼントとしてもおすすめです。
【送料込】定形外郵便で発送します。

オンラインショップでお買い求めいただけます。https://prism.stores.jp/

This is designed by eszett design (http://www.eszett-design.com)
, who has collected a variety of names that type has for a same imaginary line, area, and height.
width: approx. 10.12 inch (25.7 cm)
height: approx. 14.33 inch (36.4 cm)
weight: approx. 0.78 oz (22 g)

*For international buyers
See our Etsy shop
http://www.etsy.com/shop/Nanikatsu

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