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オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、バーコ(盛上げ)、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。
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ラベル PIED TYPE の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2020年10月15日木曜日

PIED TYPE Vol.4 先行予約販売を開始

 PIED TYPE 4号は11月2日に発行予定です。
今号はカナダのタイポグラファー、ジム・リマー(Jim Rimmer)を動画付きで特集します。ジムは手書きの文字からコンピュータを経由して金属活字とデジタルフォントを自身の手によって製作する類まれな逸材。その製作工程を記録したP22 Type Foundryのドキュメンタリー作品「Making Faces」を日本語字幕化しました。日本では馴染みの少ない北米における時代背景や機材などを解説をした冊子「PIED TYPE」と共に、予備知識無しにどなたにでもお楽しみいただけるように構成しました。

PIED TYPE 4号 特典映像(カラー44分)付き 2020年11月2日発行
冊子+特典映像(カラー44分)付き 2,200円(税込)
冊子のみ 1,100円(税込)
送料250円(ゆうパケット)










●動画のあらすじ
伝統的手法と現代的手法を組み合わせた製作プロセスで活字を製作するジム・リマーは、手書きのドローイングから母型彫刻、活字鋳造に至るまで彼自身の手によって製作を進めていきます。Sternと名付けられたこの書体は金属活字とデジタルフォントが製作され、活字の歴史においてデジタルの両フォーマットが同時にリリースされた初めての書体となりました。この記念すべき書体製作の全工程を収録しました。














●特典映像の視聴方法
dailymotionのサイトでご視聴いただけます。
ご購入後にお知らせするパスワードを入力してお楽しみください。

dailymotion
https://www.dailymotion.com/video/x7we2iv

※日本語字幕が表示されない時は、設定メニューから選択して下さい。
(下の画像をご参照ください)
視聴に関してご不明の点がありましたらお知らせください。




※パスワードのお取り扱いについて
視聴ライセンスは1ユーザー様限定ですので、
パスワードの管理には十分ご留意ください。
なお、ユーザー様が所有するPC、スマホ、タブレットなどの複数の端末でご視聴いただく事は可能です。

PIED TYPE 4号 2020年11月2日発行
特集:ジム・リマー Jim Rimmer
A4判24頁フルカラー
ISBN 978-4-903336-03-9


















2020年8月15日土曜日

夏のチャレンジ 告知とぐだぐだ日記

この夏、弊社でオフセット印刷を担当していた職人が引退されました。
印刷一筋53年でしたので、私が子どもの頃から知っている方でした。

小学生の頃、当時は2階建ての古い木造社屋でした。
年末の掃除に連れて来られて階段を雑巾がけしていると、階段の下で印刷していたこの職人さんに叱られました。
曰く、木の階段の隙間からホコリが落ちてきたんだそうです。
それ以来おっかない印象があったのですが、私が入社して印刷を担当するようになると、折々に印刷談義に花を咲かせてくれました。寂しくなります。
















職人さんの体調が思わしくなく、引継ぎは僅かな時間しかとれませんでした。
UVオフセット印刷をやっているのでオフセット印刷の原理は理解していますが、使いこなせる気がしません。
思い余って活版でお世話になった埼玉の師匠に相談すると、大変有難い事に大阪まで操作指導に来て頂けるとの事。
二日間にわたってオペレーションとメンテナンスのご指導をいただきました。
















師匠と一緒に印刷した時は問題なく刷れたのですが、いざ一人でとなると給紙でトラブります。相棒が変わったためか、印刷機がご機嫌斜めになったようです。
オペレーターが変わったり、移転をすると機嫌が悪くなる…古い機械でのあるあるです。
分解清掃をして原因がわかりましたので、修理して準備万端となりました。
将来的にはこの印刷機もUV仕様に改造したいなと夢が膨らみます。
















活版レスキューはこのところ引き合いが多いです。
大阪、鹿児島で譲渡と整備で4件のご成約。
来週は小型のテキンが1台入る予定。
















樹脂凸版の製版機も成約しました。
露光ランプを新品に交換して、標準露光時間を確認します。
私もそうですが、できる限りの工程を自身の手によってやりたい方におすすめしたい機械です。
自身で製版のコントロールができるようになると、今までとは違った世界が見えてきます。
活版レスキューでは現在、整備待ちが出ています。
お待たせして大変申し訳ございません。
















暑さのせいか、ノートPCがぶっ壊れました。電源入らず。
分解してみたものの、目視で悪い部品は見つけられず。
買い替えの決心をするも、データのレスキューどうしよう。
















オシロスコープも不調に。
古いモデルなので作りはシンプル。治せるか?
鬼門は高電圧のブラウン管。
真空管アンプでは300~400Vあたりですが、ブラウン管はkVレベルだっけ?
うかつに触るとあの世行きだね。
















子どもたちが夏休みの自由研究を手伝って欲しいとのことで、紙漉きをすることに。
以前に羊と馬のウンチから紙を漉きましたので、別の動物のウンチを提案しましたが即座に却下されました。
今回は着られなくなった服をリサイクルする案にします。
お下がりで譲れない肌着のお古から、木綿製のものを選んで小さく切ります。
















子どもの自由研究なので、ビーターを使うのは卑怯(?)かなと思ってミキサーで挑戦しました。
















様々の苦労を乗り越え、無事コットンパルプにできました。
工程の詳細は自由研究のネタバレになるので自粛します。
西洋の昔ながらのコットンペーパーの製法では、パルプ化する工程でし尿や動物の血液を利用して綿のボロを腐敗させていたそうです。
















ここからは慣れたもの。
















服から紙ができた!!!

















脱水して、
















乾燥させます。無事に任務完了!

















次号PIED TYPE Vol.4では、P22 Type Foundryの映像作品「Making Faces」を特集します。













この映像は、カナダの故ジム・リマー氏の活字製作プロセスを記録したドキュメンタリーです。
ジムは手書きのドローイングからデジタルフォントと金属活字を製作していきます。
フォント製作・管理統合システムIkarusから出力した紙から、手工的にマスターパターンを製作するというユニークな手法は必見です。
紙と木でできたマスターパターンから、鉛板を彫刻してパターンを作成し、そのパターンから母型を彫刻、そして活字鋳造まで、全ての工程を惜しみなく公開しています。

日本語字幕の製作をなに活が担当しており、P22 Type FoundryのVimeoチャンネルで公開される予定です(日本語字幕の無いバージョンは現在公開されています)。
なお、PIED TYPE Vol.4をお買い求めいただいた方には特別付録として映像視聴の特典がありますので、本家サイトで映像をご購入いただく必要はございません。

このお盆休みで字幕作成の第一段階が完了しました。
なに活にとって初めての字幕作品の製作であり、予想以上に苦戦しました。
これから完成に向けてブラッシュアップしていきます。
発行は今秋を予定していますので、ぜひ楽しみにお待ちください。















お盆休みは字幕製作で終わってしまい、例年この時期に刷っていた木活字カレンダーはできませんでした。
さて、どうしよう。

2018年11月30日金曜日

インテロバング‽と金属活字 AMERICANA

調べ事があって活字見本帳をめくっていると、偶然、インテロバング「‽」に目が留まりました。
インテロバング「‽」が金属活字にもあったんだ、という事でこの書体を調べてみました。
※1

以前にもブログに書いたことがありますが、疑問符「?」と感嘆符「!」の意を併せ持つインテロバング「‽」は、1962年にMartin K. Speckter氏によって作られたそうです。

過去ブログ記事
「? + ! = ‽」

この書体は1966年(1965年という説もある)にRichard Isbell氏によってデザインされたAMERICANAといい、アメリカを代表する活字鋳造所ATFから金属活字としてリリースされました。
インテロバング「‽」(ATFではinterabangと呼んでいた)は、17世紀後半のクォーティションマークの登場以来初となる約物で、アメリカ人の手によるものということもあり、ATFはAMERICANAへの採用を決めました。
どうやら市場の反応を確かめた後に他の書体にも導入していく計画だったようです。
自動鋳植機におされ1920年代をピークに手組み用活字の市場が縮小していくなか、ATFの期待ほど浸透しなかったようです。
残念ながらAMERICANA以降の活字に採用されることはなく、結果的にAMERICANAはインテロバング「‽」を持つ唯一の金属活字となりました。

AMERICANAは、短くて僅かに凹みを持つセリフ、大きなxハイト、短いアセンダーとディセンダー、アセンダーラインより僅かに短いキャップライン、広い幅といった特徴が、エレガンスへの回帰という当時のトレンドに合致して好評だったようです。
その為でしょうか、複数のフォントベンダーからデジタルフォントで復刻されていますが、残念ながらインテロバング「‽」は収録されていないようです。
ユニコードには設定がありますから(U+203D)、インテロバング「‽」が再び注目されることになれば収録されるかもしれませんね。

Richard Isbell氏はアメリカ人の両親のもと1924年にカナダで産まれ、幼少時にアメリカのデトロイトに戻ります。
1945年にゼネラルモータースでレタリングとデザインのキャリアをスタートし、キャリアアップを重ねました。
1980~90年代のキャディラック(セビル)、ビュイック、シボレーなどの見慣れたロゴタイプも彼の仕事です。
昔乗っていた車にも彼のデザインしたロゴタイプがありましたので、意外な接点を知って親しみを感じました。
※2
1993年にATFの鋳造設備や資料などの資産がオークションにかけられた際、AMERICANAに関する資料を入手した方がその一部をflickrにアップロードされています。
参考画像
https://www.flickr.com/photos/53177163@N00/sets/72157626458523930/

PIED TYPE vol.2
ATFのオークションで鋳造機と母型を落札し、ATF活字の鋳造を引き継いだ方がいました。
ATF活字の鋳造は無事に引き継がれたかに見えましたが、、、。
その後の顛末はzine「PIED TYPE vol.2」に取り上げております。
ご興味のある方はぜひお買い求めください。
PIED TYPE vol.2  1,080円(税込)

【PIED TYPE 取り扱い店

(東京)
Readin’ Writin’ BOOKSTORE(東京都台東区寿2-4-7 Tel: 03-6321-7798)
First Universal Press(東京都台東区寿2-7-8 Tel: 03-5830-3238)

(神奈川)
築地活字(神奈川県横浜市南区吉野町5丁目28-2 Tel: 045-261-1597)

(大阪)
prism(大阪市北区大淀中3-8-11 Tel: 06-6453-2041)

オンラインショップでのお買い求めはこちら

出典
※1 MAC McGREW (1996) American Metal Typefaces of the Twentieth Century, New Rochelle, NY: Oak Knoll Books 
※2 David Consuegra(2011) Classic Typefaces, NY: Allworth Press

2018年4月23日月曜日

第5回「活版印刷の話が聞きたい」にてお話しさせていただきます

東京台東区にある素敵な本屋、Readin' Writin' BOOKSTOREさんにて開催される第5回活版印刷の話が聞きたいでお話しさせていただきます。
まだお席に余裕があるとのことですので、ぜひご参加ください。
【日 時】4月28日(土)11:00〜12:30(開場10:30)
【会 場】Readin’ Writin’ BOOKSTORE(東京都台東区寿2-4-7)
【参加費】1,500円 ※ドリンクは別途500円
【定 員】20名
【聞き手】東條メリー(「活版印刷の話が聞きたい 斎藤喜徳編」著者)
【申込方法】こちらの [ Googleフォーム ] よりお申し込みください。
【お問い合わせ先】担当:東條様、落合様( info@readinwritin.net)
https://andantino.themedia.jp/posts/4007331





















PIED TYPE vol2 は4月28日(土)発行です。
Readin' Writin' BOOKSTOREさんにてお買い求めいただけます。













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