通常のワークショップとは内容が異なり、たこ焼きをつまみながら印刷体験と、おしゃべりを楽しむというもの。
ご参加いただきました皆さま、暑い中本当にありがとうございました。
予想以上のお客さまにお越しいただき、お一人おひとりとゆっくりお話しさせていただく余裕が無かったり、参加者さまにお手伝いをいただいたり、至らぬ点が多々ありました事をお詫び申し上げます。
また、参加者の皆さまにフォローしていただきました事、心より御礼申し上げます。
結果的には見知らぬ参加者さん同士で新たな交流が産まれたりするなど、皆さまのお心遣いにより運営スタッフにとりましても大変心温まるWSとなりました。
重ねて皆さまに御礼申し上げます。
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たこ焼き&焼きそばコーナー
参加者さまにもお手伝いをいただいて、たこ焼き&焼きそばタイム。
みんなでワイワイ作る、たこ焼きは楽しいですね。
(photo:umehara.toru様)
お腹が落ち着いたら自由研究とおしゃべりタイムスタートです。
(photo:@peroncho214様)
活版印刷体験コーナー
活版印刷の魅力は凹みばかりではありません。多色刷りや、手フートならではのレインボー印刷の楽しさも知っていただきたくて、3版の暑中見舞いカードを刷っていただくことに。
(photo:umehara.toru様)
手フートのレインボー刷りはすぐに色が濁ってくるので、一度に多くを刷ることができません。
レインボーの版は頻繁に色替えをしますので、水性インキを使用しました。グラデーションの具合は偶然性に頼るところも多く、刷るたびに色が混ざり合ってくるので同じものを刷ることは難しいですが、それがまた楽しいのです。
大量に複製する「印刷」というより、1点ものを刷りとる「版画」の感覚に近いと思っていて、活版印刷機で版画を刷っている気分になれる、なに活お気に入りの手法です。
みなさま、お気に入りのグラデーションを刷ることはできましたでしょうか?
印刷の四大方式である、
・凸版(樹脂版)
・凹版(銅版)
・孔版(謄写版)
・平版(PS版)
を体験するコーナーです。
4版種で1枚のカードが完成します。
凸版(樹脂版)はおなじみの手フートで印刷なので省略。
以下、3版種のご紹介を。
凹版(銅版)はフォトエッチングした銅版を、ミニチュア・プレス機で刷ります。
おもちゃのようですが、ちゃんと刷ることができます。
凹版は凸版よりも強い印圧が必要で、円圧型(シリンダ)のプレス機が必要です。
インキを詰めた状態の銅版も綺麗なので、プレス機に掛ける前に見とれちゃったりしませんでしたか?
UVインキを詰めて、UV×DesignのUVユニットを借りて乾燥(硬化)させちゃおうかとも考えています。
孔版(謄写版)はアメリカ製の古い謄写輪転機で刷ります。
これもおもちゃのようですが、カードサイズの複写機(Duplicator)として作られていた実用品です。
版になる原紙は、ガリ版の要領で鉄筆(写真左)とヤスリで製版するか、タイプライターで製版をします。
今回はタイプライターを使って製版しました。
出来上がった版を半円筒のシリンダに巻きつけて、シリンダ内にインキを入れて印刷します。用紙は何と自動給紙!
動作の様子は映像でご覧ください。
平版(PS版)はオフセットで使っているPS版を流用しました。
ブランケットは介さずに版から直接紙に刷っています。
刷りには凹版(銅版)と同じミニチュア・プレス機を使いました。
湿し水をやってインキング・・・平らな版なのに、インキが着くところと着かないところが出来るのが不思議ですよね。
頭では理解していても、実際に体験して驚かれた方もおられると思います。
オフセット印刷会社の新入社員さん向けの教育研修にいかがでしょう(笑)。
できあがりました!
完成品はこちらです。(下)
(photo:@Yukiwo_Yasuyo様)
鉛筆の名入れコーナー
鉛筆の名入れコーナーも行列のできる人気でした。ちょっとしたコツが要るのですが、みなさんすぐにマスターされていました。
(photo:umehara.toru様)
活字はハンコのように鏡文字になっていますので、間違いないように慎重に。
(photo:@Yukiwo_Yasuyo様)
(photo:umehara.toru様)
DIYで名入れした鉛筆は、もったいなくて削れないという方多数という仕上がりに◎。
(photo:@peroncho214様)
Prismショップで販売している伝説の鉛筆Black Wingも大人気でした。
The PENCIL.〈伝説の鉛筆〉
Eberhard Faber 社が1930年代から1998年まで製造、販売していたBlack Wingは作家、作詞家、建築家等 のクリエイター達がそのアイデアを書き留めるために使用していました。そのため復刻した現在でもクリエイター人気が高く、また今でも当時の鉛筆がebayでは1本$40という価格で売買されていたりもしています。
そしてその伝説の鉛筆をCRS(California Republic Staitioners) が調査とテスト重ね、徹底的に書き味にこだわり、2010年にアメリカで 「PALOMINO BLACK WING」として、そして2011年「PALOMINO BLACK WING 602」という新しい名前で蘇りました。
ぐるんぱの印刷機(Vandercook SP-15)
ブライダルアイテムをDIYで刷られるということで時間貸しを利用されました。
手フートより大きな機械ですが、手動式で操作も難しくありません。
最大A3サイズを刷ることができます。
3版を白と金の特色2色で印刷されました。
Vandercookは本来校正刷りを目的としたProof Pressですが、A3~B2サイズを小ロットで刷るのに向いた印刷機としてアメリカのレタープレス・プリンターに人気があり、Youtubeなどでもお馴染みの印刷機です。
アメリカで人気のVandercookを、国内で時間貸しできるのはなに活だけです。
タイプライターで実験
パソコンのキーボードに慣れた手には重く感じるキータッチに驚かれたことだろうと思います。
油断すると文字に強弱ができてしまいますが、その強弱を音楽におけるフォルテ・ピアノのように表現手法として考えたらおもしろいですよね。
(photo:umehara.toru様)
ネイルライトで製版実験
お客さまが持ってきてくださったネイルアート用のUVランプで製版実験しました。
正確な露光条件を出すには、21ステップガイドや光量計を使うのですが、今回はエイヤっと勢いだけで決めてしまいました。
その結果は・・・一応製版できちゃいました。
光源に対して原稿が大きかったので、露光できなかった部分が残ってしまいましたが、印刷結果もOKでした。
製版フィルムと樹脂版は完全に密着していないと焼きボケしますので、その点注意が必要です。
フィルム写真や電子回路のプリント基板の露光用品に応用できそうな用品がありますので、機会があれば実験してみたいと思います。
樹脂版で箔押し実験
箔押しコーナーでは12星座のカードづくりの合間に樹脂版で箔押し実験。
箔押しのポイントは、温度、圧、圧をかける時間の3つの要素が品質を左右します。
箔押しのポイントは、温度、圧、圧をかける時間の3つの要素が品質を左右します。
金属版と同様という訳にはいきませんが、3つの要素を加減して加工ができることを体験していただきました。
(photo:umehara.toru様)
以上、ユルWSのレポートでした。
P.S. 写真は@Yukiwo_Yasuyo様、umehara.toru様、@peroncho214様に引用のお許しをいただき掲載させていただきました。ご協力ありがとうございます。