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2015年7月3日金曜日

Dilemma 木活字のカスレ考

本来は品質不良の証しながら、逆に活版印刷ならではの味わいと感じる方も多いカスレ。
カスレにはいろんな原因が考えられます。
活字の摩損、胴張りの仕立て不良、印刷機の精度・消耗、インキローラー不良、インキ量、印圧、用紙の平滑性・・・
版と印刷機のコンディションを整え、版の内容を忠実に再現するのが活版印刷職人の腕の見せ所です。
しかし古い木活字は長年の使用により傷みや狂いが生じているものが多く、カスレが生じてしまうことが多いようです。
長年使い込まれてきた証しとして、また、木という素材感を感じさせる証しとして木活字のカスレを愛おしく思う反面、プリンターとしては綺麗に刷りたいという思いもあり複雑な心境です。



















木活字の表面はニスで仕上げられています。
アメリカを代表する木活字メーカーだったハミルトンではロック・メイプルを使用しており、新品の時は下のような色目です。
左上の8のように、使用すると少しずつインキが染みていきます。
















ニスにはインキを洗浄する溶剤に侵されにくいシェラックが使われていますが、長年の使用により下の木活字のように傷んで剥離していきます。
古いシェラックは普通の洗浄液で洗ってもほとんど取れず、まだらに残っている状態です。
表面を撫でるとザラザラした感じで、古い木活字の場合これがカスレの大きな原因となります。
















傷んだシェラックニスをアルコールで拭いて落とします。
まだらに見える染みは取れませんでしたが、表面は平滑になりました。
















シェラックニスを調合します。
シェラックにはいくつかグレードがあり、どれが良いか研究中です。
















アルコールに溶いて一晩置けば出来上がり。
長く保存できないので、使う分だけ調合します。
出来上がったシェラックニスを木活字に塗り重ねます。
















左がニスをやり替えたもの、右はオリジナルです。
表面をなでると、左はツルツル、右はガサガサです。
















インキを着けてみます。
右は予想通りひどい着肉ムラです。
















刷ってみます。
左右反転になっています。
リペア済みの右は、小さな傷があるものの綺麗にインキが着きました。
オリジナルの左はカスレが目立ちますね。
















どちらが良いかというと難しい問題です。
プリンターの立場としてはカスレの出る印刷は認めがたいところではありますが、アナログ感プンプン漂うカスレの魅力も認めざるを得ません。
全体的に傷みが酷かったこの書体、どちらも楽しみたく結局のところ半分ほどリペアして完了とすることにしました。


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