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オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、バーコ(盛上げ)、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。
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2016年12月13日火曜日

続 「始める」より難しい「終わり方」

今日、ある活版印刷所の方からお電話をいただきました。
活字の仕入れ先であった鋳造所が知らぬ間に廃業してしまい、大変困っているとのことでした。
事前に廃業を知らせてくれれば、まとめ買いしたのだけどと悔やんでおられましたが後の祭り。
私も少しご縁のあった鋳造所でしたが、私のところにも廃業のお知らせはなく、人づてに聞いたところでは昨年末で閉鎖されたとのこと。
50台以上もの鋳造機、名だたる鋳造所から引き継がれた母型、ベントン彫刻機などをどなたかが引き継がれたという話も聞こえてきません。
電話口のお声からして人生の、そして活版の先輩と思われるお方にお役に立てればと知っていることはお話ししましたが、残念ながら解決には至らず。
昨年の10月、フェイスブックに書いたアメリカのある活字鋳造所のエピローグを思い出しました。
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「始める」より難しい「終わり方」。ある活字鋳造所の結末より
かつてアメリカの代表的な活字メーカーであったATFの流れを汲む
The Dale Guild Type Foundry。
数年前に若手が継承して、その動向には注目していました。
話しをする機会はありませんでしたが、LAのプリンターズフェアにも
一度出展されていました。
新しいデザインの活字づくりに挑戦するなど、精力的に活動していたかに
見えたのですが、タイプデザイナーと揉めてプロジェクトはとん挫。
新しい母型は完成せず、タイプデザイナーからはお詫びの言葉とともに
樹脂版で刷った書体見本が届きました。
その後、オーナーは鋳造所の移転を宣言するも、目立った動きは聞こえて
きませんでした。
どうも昨年あたりに、設備一式をヨーロッパのコレクターに売却したらしいのです。
新しいオーナーの意向は判りませんが、もしコレクションが目的だとすると一般の
レタープレス・プリンターが活字を購入することはできなくなった事になります。
人様の財産の売買について意見するのは野暮というものですが、ATFの流れを
汲む鋳造所が、知らぬ間にアメリカから消えてしまった事を残念に思う声が現地
にあるのも事実。
設備一式を公開のオークションにかければ、別の道があったかもと思えて
しかたありません。
このニュースを聞いて数日、どうにも気が晴れませんので駄文を晒す次第です。
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受話器を置いてため息を一つ。明日は晴れるでしょうか。

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