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オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、バーコ(盛上げ)、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。
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2011年2月17日木曜日

活字の里を訪ねて

美濃和紙の産地に続いて、50台余りの活字鋳造機が現役で稼働する活字の工場にお伺いしました。
鋳造機は見たことがありますが、これだけの台数を見るのは初めてです。
しかも全て現役だそうです。別棟にもまだあります。
工場に招き入れていただいた瞬間、思わず声にならない声をあげてしまいました。
活字の種類によって治具や設定が異なるため、これだけの台数が必要なのだそうです。
また、鋳造機だけではなく、活字の母型や、その設計図となるパターンもたくさんお持ちです。
廃業された鋳造所から引き継がれた書体などもあり、和文・欧文ともに豊富な活字をストックされています。
別棟にある手動式の活字鋳造機は大変珍しいのだそうです。
この機械でしか作れない活字があるそうです。
こちらの工場では、書体のデザイン(原字の設計)から6台のベントン彫刻機による母型の彫刻も可能ですので、どんな異体字でも作ることができるのです。
まさに活字の里です。
また、活版印刷も手掛けておられ、自社内で書体の設計、活字の鋳造から活版印刷までが完結するすごい工場なのです。
「活字組版は簡単」とか「ムラ取りはしない(不要)」など、驚くお話を夢中でお伺いするうちに時間を忘れ、すっかり長居をしてしまいました。

ぜひ社名をご紹介したいところですが、訳あって伏せます。
と言いますのも、近年のブームで問い合せが大変多くなり、業務に支障をきたすほどらしいのです。それもお取引の話というより、研究や興味本位のものが大半のようです。
逆の立場で考えると、これは困るだろうと思うのです。
当社のWSがご縁で知り合った方のお力添えもあってご訪問が叶いましたが、実は私も当初面会を断られました。
という訳でブログには社名を掲載しませんが、書体にこだわったページものの活版印刷を本気でお考えの方に限ってはお知らせしたいと思います。
ただし、お仕事を選ぶ職人さんですので、ご期待に添えるかどうかは判りません。
今回の見学を終えて、活版印刷をブームや流行として消費してしまいたくないと強く思いました。
実はワークショプを開催していただくようお願いしてみましたが、やんわりと断られてしまいました。根気強くお願いをしていきたいと思います。
この素晴らしい工場が次世代に継承されることを願ってやみません。

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