ご縁あって印刷機を入手されても、印刷機の調整や、版・インキなど資材の調達に悩んでおられる方が結構いらっしゃることを知りました。
アメリカではプロ・アマチュア問わず誰でも参加できるWebのコミュニティがあり、意見交換やアドバイスなど盛んに交流されています。
日本にもプライベート・プリンターさん同士が気軽に情報交換できるような場ができればきっと楽しいはず、と考えています。
そんな想いで、アメリカで良く使われているディープレリーフの樹脂版のサンプルプレゼントを企画しました。(対象はプライベート・プリンターさん限定です。同業不可)
紙の選び方や胴張りの仕立て方によっても結果は異なるはずですので、みなさんのテスト結果や使い方の工夫などを共有していけたらと思います。
ブログで度々ご紹介している、厚みが約1.5mmの硬いタイプです。
印圧とシャープさの両立を求めると金属版が優位ですが、版の面積に比例して樹脂版と金属版の価格差は大きくなります。(樹脂版<金属版)
下記に当てはまる場合は、樹脂版も含めてご検討いただく事をおすすめしています。
・ハガキ以上の判型で全面にデザインがある
・小ロット
・イラストや線画が大半のデザイン
・小さな文字や明朝系の文字を使っていない
・印圧によるボリューム増を考慮してあらかじめデータを調整できる
文字の周囲に飾り罫を入れるなど、印圧が分散するようレイアウトの工夫をすれば、印圧による文字の太りも気にならない程度に抑えることもできます。
ただし、版のサイズが大きくなるほど手動式の印刷機では凹ませるのが難しくなります。
(参考記事)
印刷実験【クッション紙と特Aクッション】 http://kappan.did.co.jp/2011/02/blog-post_24.html
印刷実験【樹脂版と強印圧】 http://kappan.did.co.jp/2010/11/blog-post_18.html
印刷実験【樹脂版と金属版】 http://kappan.did.co.jp/2010/09/blog-post_24.html
手フート、アダナなどプラテン(平圧)式の印刷機は、ローラーの高さと胴張りの厚さの調整が必要になります。
これを正しく行なわないと、正確な評価はできませんのでご注意ください。
なに活では高さの異なるメタルベースを使っており、調整なしで使い分けが可能です。
それから、紙が凹むほどの強印圧は、手フートなど手動式の印刷機にとっては大変厳しいものであり、機械が損傷するリスクを常に伴うことを知っておいてください。
(なに活のワークショップでは、手フートでの強印圧はご遠慮頂いています。)
特に金属活字や木活字では、大切な活字にもダメージが及びます。
アメリカのレタープレスで強印圧が手法として一般的になったのは、使い捨てを前提にできる樹脂版の普及とリンクしていると思います。
(とは言え、金属版より安価ですが、オフセット用の版より高価です)
樹脂版は硬さによって表現を変えられる魅力的な版材です。
樹脂版は版画の分野でもポリマー版画として利用されており、活版(凸版)でも、もっと可能性があると思います。
「ポリマー版画、感光性樹脂版による版画技法」 (京都精華大・武蔵篤彦先生)http://www.kyoto-seika.ac.jp/event/kiyo/pdf-data/no32/musashi_atsuhiko.pdf
こちらを読んで頂ければ単なる安価な代替手段という考え方はきっと変わるはずです。
活字、金属凸版、樹脂凸版それぞれに特長がありますから、版材を使い分けると表現の幅が拡がります。
なお、プレゼントの対象は、個人で趣味や作品づくりとして活版(凸版)印刷を楽しまれて方に限らせていただきます。
また、前述の趣旨により、使用後のレポートにご協力いただくことも条件とさせていただきます。
こちらからお申し込みください。(予定数量に達し次第終了します)
また、これから活版印刷を始めたい方には、印刷機の入手や新品の活字、樹脂凸版、金属凸版、インキなどの入手もお手伝いさせていただきます。
(プライベート・プリンターさん限定)
メタルベースやファニチャなどなど、入手困難な資材の入手もお手伝いします。
(プライベート・プリンターさん限定)
珍しいエンボス機や罫切り器などもご希望があればお探しします。
うさぎに似てるかわいいエンボス機