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オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、バーコ(盛上げ)、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。
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2017年8月7日月曜日

手漉き紙と手組みの活字組版と

名塩の手漉き紙で名刺を作りたいとのことで、ご相談をいただきました。
地産地消とでも言えましょうか、お住まいの近くで漉かれた紙を使いたいとのことで名塩和紙のご指名でした。
名塩の谷徳製紙所さんと洪哉さんは以前、ブログでも取り上げましたが、雁皮や漉き返し(再生紙)に六甲山系の土粉(泥土)を配合するのが特長です。
泥土には白、青、黄、茶の4色あり、混色してつくる白茶をあわせて5色のバリエーションがあります。
今回は青と黄でお作りすることになりました。

「名塩和紙の過去、現在、未来を見に行く」
http://kappan.did.co.jp/2013/09/blog-post.html





















お客さまは帽子を創っておられる作家さんで、海外出張も有るという事で欧文名刺を作成したいとのことでした。
活字組版をご希望で工場見学も兼ねて書体を見たいということでご来社いただきました。
活字を使って紙を凹ませる刷りはやらないので、まず最初にご説明を。
幸いにも凹みはご希望でありませんでした。
続いて伝統的な書体とユニークなディスプレー書体をご覧いただきながら、特徴や由来などをご説明させていただきました。
ちょうど校正機が空いていたので刷ってしまうのが早いということで、お客さまのイメージをお聞きしながら書体の候補を絞っていきました。





















校正刷りではギャレーマグネットという磁石で組版を固定することが多いです。
すごく強力な磁石なので、ずれることはありません。





















デザインの方向性が決まったところで、次は刷り色の打ち合わせ。
青の方はスミ、黄の方は濃茶にすることに。
紙の裏表についてお尋ねがあり、裏面のラフな素材感も捨てがたいとのこと。
そこで黄は裏面に、青は表に刷る事になりました。
校正刷りのやり取りで微修正を重ねて校了をいただき、いよいよ本刷りです。
















パルプを配合した耳付き紙は自動機で刷ることもありますが、耳付き紙は基本的に手フートで刷っていきます。
耳の形状や紙厚を確認しながら1枚づつ丁寧に刷っていますので自動機よりも時間が掛るため、印刷費もちょっぴり割高になりますがご容赦ください。
活字組版の位置合わせには欧米で一般的なゲージピンを使っています。
位置決めした後の微修正はこれが一番使いやすいです。






















カチャーン、カリカリカリ…心地よいリズムとインキの匂いに包まれて。
時折不思議そうに眺める通行人の視線を感じながらの印刷タイム。





















(お客さまのメールから)
凄く素敵な名刺になり、大変嬉しいです。
お仕事場にも行かせて頂き、何度も相談に乗って頂きまして、本当にありがとうございました。
これからも、宜しくお願いします。

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お客さまにはお喜びいただけたようで良かったです。
お話させていただく中で、どんどんアイデアが膨らんでいく過程がとても楽しかったお仕事でした。
想いをカタチにする仕事ですから、その想いを共有するというプロセスをこれからも大切にしたいです。
スピード重視の世の中ですが、これだけは譲れないトコです。

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