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オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、バーコ(盛上げ)、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。
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2010年11月8日月曜日

手フートでグラデーション印刷

先日のワークショップに初めて参加された方が、素晴らしい技を考案されましたのでご紹介します。
2色目のシルバーを刷っておられた参加者は、細い文字や小さな星のイラストに少し赤みがかったグラデーションを入れたいと思われたそうです。
私たちの説明を待つまでもなく、閃いたように朱色のインキを指先に付け、銀インキを載せたインキ盤に加えて印刷してみると・・・
繊細で美しいグラデーションが表れました。
写真では見えにくいのですが、雰囲気はお判りいただけると思います。
以前ご紹介したレインボー印刷では、細かい文字やイラストにこのような繊細なグラデーションは表現できませんでした。過去記事→手フートでレインボー印刷もぜひ

初めての参加で、表現したいイメージをもとにその手法を産み出されたのは、素敵な挿絵を描かれるデザイナーさんでした。
直感で手法を生み出すその創造力に大変感動し、新技誕生の瞬間に立ち会えて嬉しかったです。

皆様も繊細なグラデーション印刷やダイナミックなグラデーション印刷にぜひ挑戦してみませんか。
活版ワークショップin大阪でお待ちしています。

なぜ手フート独特のグラデーションが産まれるのか?
手フート(手キン)印刷機は、2本のインキローラーと、そのローラーにインキを供給するインキ盤(丸い円盤)だけの大変シンプルな構造です。
手で動かすレバーに連動して、インキローラーはインキ盤と版との間を行ったり来たり振り子のように動きます。
インキ盤はローラーが離れる度に時計周りに少しずつ回転していき、次にローラーを迎える時にインキのムラが出ないように工夫されています。
ローラと水平方向に回転するインキ盤のこの動作が、手フートならではのグラデーションを産み出します。
すなわち、後から足したインキがローラー全体に馴染むまでのムラが、グラデーションとなって表れるのです。
1枚刷るごとにグラデーションは変化していき、ローラーのインキムラが均されてくると無くなってしまいます。
同じグラデーションを何枚も刷りたい時は、インキ盤の回転を止めると、しばらく楽しむことができます。

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