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オールド活版印刷機でレタープレス、箔押し、エンボス、デボス、小口染めの印刷・加工をしている大阪の活版印刷所【なに活】です。
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2013年10月20日日曜日

LA Printers Fair 2013 その2

前回からのつづきです。

ミュージアムの館内には、グーテンベルグ以降のレタープレスを中心とした印刷史を学べる展示があります。
館内のあちこちでボランティアによるデモンストレーションが行われていました。
博物館の所蔵品にもなっている貴重なプレスや活字鋳造機を展示するだけではなく、実演して見せるというのが素晴らしいです。
古い機械を稼働できるように維持管理するためには、操作や修理のノウハウの継承も欠かせず、大変な労力を伴うはずです。
ボランティアのイベントスタッフはベテランから若いプリンターまで幅広い年代で構成されており、その点も心配無用なことなのでしょう。
印刷実演中のグーテンベルグのプレス(レプリカ)には、いつも人垣ができています。
グーテンベルグのプレス以降、圧盤や加圧装置に金属部品を用いるなど改良が加えられながらも木製プレスの時代が約350年も続きました。
こちらは印刷業に携わっていたこともあるアメリカの偉人、ベンジャミン・フランクリンの印刷所をイメージした展示室です。
政治や科学など幅広い分野での偉業で知られるフランクリンですが、自作の墓碑銘に自らを「プリンター」と名乗るなど、印刷と深く関わった人でありました。
今年は見られませんでしたが、活字を手鋳込みするハンド・モールドによる実演もここで行われています。
1800年ころ、イギリスで総鉄製のスタンホープ印刷機が発明され、木製プレスの時代から金属製プレスの時代に移っていきます。
こちらはアメリカで1813年に発明されたコロンビアン・プレスの実演中です。
アメリカ製のプレスであることを誇示するかのように翼を広げた鷲のオーナメントを配しています。しかし、アメリカで思うように売れなかったため、発明者のクレイマーはイギリスに移住し、ヨーロッパでの販売の方が好調だったそうです。
つづいて1820年ころにアルビオン・プレス 1821年ころにワシントン・プレスが発明されます。
豪華な装飾が施されたこのプレスの構造は、ワシントン・プレスのそれですが詳細は判らず。
ダルマのようなボディが魅力的です。
銘板の写真を撮り忘れ、詳細不明。
去年は無かったはず。
こちらは1851年ころのRuggle's Card and Billheadと思われます。
初期型の足踏みのプラテン・プレスで、手フートやフートプレス(Jobbing Platen Press)のルーツです。
Bed(版盤)とPlaten(圧盤)が垂直近くに直立し、Clamshell(二枚貝の殻)のように蝶番でつながっていて、インキ着けはプレスが行います。
インキディスクの形状がユニークで、円盤ではなく、円筒のようになっています。
ミュージアムには、フートプレス(Jobbing Platen Press)の原型にあたる1851年に生産されたゴードン・アリゲーター・プレスがあるはずです。
このプレスのインキディスクも円盤ではありません。
動作が急で、たくさんのプリンターたちが手に怪我をしたという曰くつきのプレスです。
情報が極端に少なく、現存するのは世界中にただ1台のようです。
資料画像を頼りに倉庫を探すと、それらしきプレスが・・・。
http://letterpressprinting.com.au/page88.htmより引用
インキディスクの形状が資料とそっくりなプレスを見つけましたが、ボディやペダルの形状が異なります。
天井近くのラックに収められているので、残念ながら銘板を確認することはできませんでした。
ミュージアムの責任者のマークと話すことが出来なかったので、違うプレスなのか、製造年代の違いなのかを確かめる事はできませんでした。
大きなシリンダー(円圧)プレスですが、手動式です。
1880年ころのThe Prouty Country Newspaper Pressというプレス。
ニックネームはGrasshopper(バッタ)。
シリンダーを動かす棒状の部品が、バッタの足に見えるからだそうです。
動画で見ると納得。


印刷機が大きな進化を遂げた19世紀には、ユニークなプレスがたくさん産まれました。
20世紀にかけて進化したプレスもあれば、取り残されたプレスもありました。
1856年に発明されたLowe Pressは後者のプレスと言えるでしょう。
印圧を加えるシリンダーが円錐状になっているのが独創的で、特許も取られています。
比較的小型のため、アマチュアや商店主をターゲットに販売されたそうですが、1861年に始まる南北戦争において、戦地での速達便や作戦司令の印刷にも用いられたそうです。
US Patents 15428 (1856年)
http://www.google.com/patents?id=OKBTAAAAEBAJ&pg=PA1&dq=ininventor:%22SAMUEL+W.+LOWE%22&source=gbs_selected_pages&cad=1#v=onepage&q&f=false
アメリカでプルーフ(校正)・プレスと言えばVandercook。
大変人気があるプレスで、大抵のパーツは今でも入手可能です。
こちらではポスター印刷の体験をしています。
こちらでもポスター印刷の実演です。
Vandercookに似たプルーフ・プレスを発見。
ドイツ製でした。
大きな木活字です。
ステッキのディスプレー。
きちんと整理されたファニチャの収納。
ずらりと並んだタイプケース。
小型の卓上プレス。
まさにデスクトップ・パブリッシング。
DTPの元祖!?
大きなラドローのスラグがディスプレーされてました。
大きな木活字!
チェースに組まれた木活字。
洒落たツールケース。
リトグラフの石版を腰掛けとして再利用していました。
リトプレスもありました。
ラックに積み上げられたプレスに圧倒されます。
古いプレスたちが天井まであるラックにぎっしり保存されています。
LINLOTYPEの実演は行列ができています。
好みの文字を作ってくれます。
特徴的なキーボード。
ライノタイプの動画はこちら


自動鋳植機の初期モデルです。
LUDLOWも実演中。好みの文字をスラグにしてくれます。
後になって気付いたのですが、ここを担当していた方は、オープン直後に私のブースに遊びに来てくれ、新・活字ホルダーを手に取って「サイズは?」と質問した人でした。
6ptから42ptまでと答えたあと、「長さは何パイカまで?」と聞かれて答えに窮しました。
親切にも彼はどこからかゲージを持ってきて測ってくれたのでした。

Ludlow (ラドロー)
1912年、Ludlow Typograph Co.から発売された欧文の鋳植機。
一行分の文字を塊、slug(スラッグ)として鋳込むが、手で母型を拾いComposing stick (ステッキ)に組む必要がある。
操作が簡単で、96ポイントまでの大きな活字が鋳込めるので、特に英字新聞社には大変重宝された。
特別な装置を付ければ、128pt.から240pt.までの特大文字を鋳込むこともできた。
ボディから字面がはみ出たKerned letter(カーンドレター)は鋳込むことができない。
日本では、小池製作所が新聞見出し用の和文鋳植機として同様の機械を製造していた。


母型を拾ってLUDLOW用のチェースに組みます。

チェースに母型をセットしたところ。
ラドローの動画はこちら


このプレスたちは全部売り物です!!!
卓上プレスは3"×5"の小型のものが400ドルから、サイズによって2,500ドルくらいまで。
じゃんじゃん売れています。
こちらも売約済み。
こちらのジョブ・プレスは2,500ドル。
校正機もいろいろありました。こちらは2,000ドル。
こちらの校正機は、おそらく19世紀のもの。これも売約済み。
ATF社製のプルーフ・プレスは2,000ドル。
ステッキもたくさん。
ジャンクな小物たちにも値札が。
製本プレス機や断裁機もありました。
あっという間にイベント終了の時刻になりました。
二回目の参加となった今回、友達が友達を紹介してくれたり、帰国後に連絡をくれた人に活字を輸出することになったり、レタープレスのネットワークがさらに拡がったのが大きな収穫でした。
昨年のフリマで、「もう少し日本らしさを出してみては?」というアドバイスをもらってからあっという間の1年間、試行錯誤の甲斐あってか売り上げは昨年の倍以上になりました。
出品作品でコラボしてくださった作家さん、セールスパートナーのTim、不在の間サポートしてくれたスタッフにあらためて感謝申し上げます。
何時かまたレタープレス修行の旅に出掛けてみたいと思います。

The International Printing Museum
315 Torrance Boulevard, Carson, California 90745
http://www.printmuseum.org/
(開館日)土曜日10:00am to 4:00pm、火曜日から金曜日は予約が必要。
      日、月は休館
    
      ※訪問にあたっては、公式サイトで最新情報をご確認ください。
     

(入館料)大人:$8 、子ども、シニア:$7


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「おでんパーティー & LA報告会」 のお知らせ

10月26日(土)18時より、おでんを囲みながら活版について語る会を設けたいと思います。
LAのイベントの模様や、レタープレス事情のご報告もいたします。
また、来年のLA Priunters Fairに向け、レタープレス作品を発売してみたいクリエーターも募集します。
Prismショップでは、LAのグリーティングカード専門店などで仕入れた素敵な紙雑貨などを販売します。
参加費1,000円でどなたでもご参加いただけます。

Paper Source/グリーティングカード、紙雑貨

Sugar paper/グリーティングカード、紙雑貨

Arts and Letters/グリーティングカード、紙雑貨

Scrampers/スクラップブッキング

McLogan Silk Screen/シルクスクリーン関連機材、資材

Artist & Craftsman Supply/画材

Freestyle Photographic Supplies/フィルム写真、オルタナティブプロセス関連資材

Staples/文具

Pasadena City College Flea Market/フリマ

フリマで買ったものとは?
















2013年10月7日月曜日

LA Printers Fair 2013

今年もLAのThe International Printing Museumにやってきました。
10月5日に開催されたLA Printers Fairに参加するためです。
セールスパートナーのTimとブースを出店しました。
去年はとにかくガチガチに緊張していましたが、今年は少しリラックスして楽しめました。
去年出会ったRachelleをはじめ、1年ぶりの人たちがブースに遊びに来てくれて再会を喜びあえたのも凄く嬉しかったです。
Rachelleはレタープレスや手すき紙に取り組むアーティストであり、先生でもあります。
昨年の別れ際、彼女と来年も来ると約束したので再会の喜びも格別でした。

Barbaraは去年同じ会場にいながら会えずじまいだったけど、ようやく挨拶できました。
彼女はVandercookをリビングのグランドピアノの隣に置いているんです。
また、彼女はコロタイプで刷った本を出版したことのあるGeraldを紹介してくれました。

Timにブースを任せてGeraldのブースに遊びに行きました。
レタープレスとコロタイプという共通点からとても楽しくお話しできました。
Barbaraから私のことを聞いていた彼は、コロタイプの実験や原色版(活版のフルカラー)の魚のカードを知っていてくれました。
魚のカードが欲しいと言ってくれたのですが、お客さんが絶えずブースを離れられないので彼の元にデリバリーしました。

ニュージーランドからこのフェアを見に来たという彼も原色版の魚のカードを気に入って買ってくれました。
日本での活版はどうだい?と気になっている様子。
ニュージーランドでもここ数年レタープレスが盛り上がってきているそうです。

日本が大好きという方も遊びに来てくれました。
活字ホルダーに組んでいた「ありがとう」という活字を難なく読んだのはびっくりしました。
手フートくんの人形はキッズの人気者でした。
ママが向かいのブースで話に夢中になっている間、ウチの手フートくんを見に来てくれた女の子がいました。
「楽しんでいる?」と聞いたら、「楽しくない」だって。
話をしているうちに手フートくんのカードを気に入ってくれてママにおねだりしましたが、OKが出ず名残惜しそうに去っていきました。
今回はパンタパネルという折りたためるシートをカードの展示に使いました。
机に並べて置いた去年に比べ手に取って下さる方が増えたのと、コンパクトに収納できるのでとても良いアイテムです。
立てて使うこともできるし、オプションで便利なアタッチメントも用意されているので、フリマだけでなくPrismのディスプレーとしても活躍してくれそうです。
詳しくはこちらで。
Panto-panel
レタープレスの作品、活字や資材を並べるブースがたくさん出店しています。
新品の鉛活字のベンダーが昨年より1店増えていました。
どこだろうと思って見てみると、少し前に新刻活字のプロジェクトの揉め事が元で実質活動休止になっていたところで、在庫のみの販売という感じでした。
 木活字の良い物は早くに売れてしまいます。
LINOTYPEのオリジナルのType Drawings(書体の設計図)が売られていました。
ブースにあったのはELECTRA ITALICの11ptで、14×14インチサイズの一文字が$50でした。
他に60以上の書体の各サイズがあるそうです。
買いそびれたので、フライヤーの写真だけです。
レタープレスなトラック
シルクスクリーンでTシャツのプリントもやってました。
今年の機材販売は屋内になっていました。
入りきらないプレスが屋外にも。
レタープレスプリンターにとっては夢のようなテーマパークのよう。
大量のライノタイプのスラッグが。
廃棄するなら頂戴!と叫びたくなります。
アンティークなレバープレスには値札が見当たらなかったけど売り物?
なに活のVandercookを運んでくれたJimは出店すると聞いていたけどいませんでした。
急な仕事が入ったのかな?

屋内の展示は次回にて。

続きは「LA Printers Fair 2013 その2」へ
http://kappan.did.co.jp/2013/10/la-printers-fair-2013_20.html


昨年のレポートはこちら

LA Printers Fairに行ってきた(1)
http://kappan.did.co.jp/2012/10/la-printers-fair.html

LA Printers Fairに行ってきた(2)
http://kappan.did.co.jp/2012/10/la-printers-fair_22.html

LA Printers Fairに行ってきた(3)
http://kappan.did.co.jp/2012/12/la-printers-fair.html




 Linotype (ライノタイプ)
1886年、Ottomar Mergenthaler (オットマー・マーゲンターラー, 1854-99)によって発明された欧文の自動鋳植機。
自動植鋳機とは、活字を自動的に鋳造すると同時に植字(組版)をも行う機械。
原稿に従ってキーボードを押すと、上部の母型庫から母型が1本づつ落下してきて並び、一行がいっぱいになると鋳型に送られ、一行分の文字が塊、slug(スラッグ)になって鋳込まれる。
鋳込みを終えた母型は、自動的に分類されて母型庫に戻る。

Line of type(一行の活字)という意味からLinotypeという名称が生れた。
鋳造能力は7,000~11,000字/時。
ボディから字面がはみ出たKerned letter(カーンドレター)は鋳込むことができない。
Linotype以前にも様々な自動植鋳機が考案されたものの、実用化には至らなかった。
鋳造してから植字をするという方法ではなく、植字してから鋳造するという方法が実用化に成功した一因とされる。

同様の機械に、Linotypeに改良を加えたIntertype(インタータイプ)がある。
訂正がある場合は一行単位で打ちかえる必要があるが、スピードが求められる新聞や雑誌を中心に導入が進んだ。
日本には1903年(明治36年)に印刷局に導入され、英字新聞社などに採用された。

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